2018年10月12日金曜日

弔辞。 曽原義太朗くんへ。

曽原義太朗くんへの弔辞を全文掲載させて頂く。

皆さんと彼を共有したい。

義太朗、ずっと義太朗のことばっかり考えてるよ。

義太朗へ

本当に急なことで、
なんと言ったら良いか。

お母さんから日曜の朝、
連絡を受けたとき、
僕は福井県に居ました。

金沢での仕事を終えて、
永平寺を観に
行っていたのです。


僕はクリスチャンですから、
普段は
神社仏閣では
お参りはしないのですが、
自然と
仏様に
手を合わせていました。
ただただ自然と、
そうしていました。

8月に
お前が帰って来ていた時には、どんな卒業生にも
そうしているように、
今度ご飯行こうな、またな、
と義太朗にも
軽くあしらっていました。

それは悪気ではなく、
どうせきっとまた会えると
思っているからでした。

どうせきっと会える、、、。

義太朗、
人はね、
そうやって
思うもんなんだよ。
誰も何かが起こるなんて、
これっぽっちも
思ってなんかいやしません。

だから、
どんな人も
久しぶりに会っても、
おう、またな、
今度飲み行こうや、
でその場を過ごしてしまう。

あのとき、
ご飯に行けばよかった。

お前の夢や将来を
聞きたかった。

そして、
もっともっと、
こんな
弔辞なんかじゃなくて、

結婚のスピーチや、
なにかの表彰の
お祝いのスピーチを
したかった。
そう思います。

お母さんから
お前の話を聞きました。

先生、義太朗はね、
十督先生に
認めて欲しかったんです、
先生にたくさん
褒めて欲しかったんです、って。

僕は義太朗の事を
けなした事は
ないつもりですし、
お前が、
先生、
面談で親になに言うんですか、
色々言うんですか、
って不安がってた時も、

お父さん、お母さん、
この人ほど人に愛され
慕われている
優しい人はいません、




だから、
弱い人、困っている人の
立場に立って、
その人たちの

味方になるような働きを
して欲しいと思っています、

ひとを繋ぐ仕事をして欲しいと願っています、
って
僕は話しました。
義太朗、
それを覚えていますか?

ねえ、義太朗。

もし神様が
お前を天国に
連れて行ったとしたら、
お前の死は
僕らにとって
一体どんな意味があるのか
と考えました。

若い魂を天国に連れて行った
神様のご意思って、

一体なんだったんだろう
って思います。

僕らには
その壮大なスケールの
神様のご計画は
理解し兼ねますが、

でも、
お前の命や魂を
僕らの身体にインストールして、
お前の意思を継ぐように、
お前を纏って生きるように、と、
神様は僕らに
そう思し召して
遊ばすのだと
信じています。

もし私たち人間が、
この世のものを
見たり聞いたりする為に
生まれてきたとしたら、



私たちは
何か特別なものに
なれなくても、
生きる意味があるんだと
僕は思っています。

義太朗、
お前の訃報をきいてから、
毎日、
元気が出ません。

本当に、
元気が出ません。

僕は教え子を失うのは
初めてですが、
教師をしていて、
教え子を失う事が、
これほど苦しくて、
激しい苦痛を味わうのかと、
身をもって
体現させられています。

毎日苦しくて
悲しくて、
さみしくて、
切ないです。

馬鹿野郎、
本当に、
馬鹿野郎。

なんで。
どうして。

もう一度
会いたいです。
みんな、
同じ気持ちです。



最後に、
お前の
お父さん、お母さんの為に、
谷川俊太郎さんの詩を
朗読したいと思います。

これは、子供を
不慮の事故、
災害、病気、で
失ってしまった
ご両親の為に
書かれた詩です。


さようなら   谷川俊太郎

ぼくもう 
いかなきゃなんない
すぐいかなきゃなんない

どこへいくのか
わからないけど
さくらなみきの
したをとおって

おおどおりを
しんごうで
わたって
いつもながめてるやまを
めじるしに

ひとりで
いかなきゃなんない

どうしてなのか
しらないけど
おかあさんごめんなさい
おとうさんに
やさしくしてあげて

ぼくすききらいいわず
なんでもたべる

ほんもいまよりたくさん
よむとおもう

よるになれば
ほしをみる

ひるは
いろんなひとと
はなしをする

そしてきっと
いちばんすきなものを
みつける

みつけたら
たいせつにして
しぬまでいきる

だからとおくにいても
さみしくないよ

ぼくもう
いかなきゃなんない




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