2016年4月4日月曜日

"La-di-da!"


暁の会を立ち上げて1年が経ちました。

京都のリーダーであり、親友の西山哲郎くんとは、暁の会立ち上げから、ほぼ毎日欠かさずメールのやり取りをしています。

内容は、といえば、何のことはない、取り留めもないことを、ああでもない、こうでもない、と言い合うばかりなのですが、やり取りの8割型を占めるのは、読んだ本のこと、見ている映画のこと、聞いている音楽のこと、芸術のこと、英語教育についての議論ばかりで、あとの1、2割で、次の何時何時にどんな勉強会をしようかと思っているとか、あの勉強会に出ようかと思っているとか、そういうことを延々と話しています。

最近のやり取りは、観ている映画や米国のテレビドラマに関して、そこで使われている英語のオーガニックな良さや、生き生きとした表現など、唸るものが多いよね、という話題が中心です。

通常は、映画やドラマを観ながら、気に入ったフレーズや、気になった表現をどんどんノートに書き留めていきます。それを実際に、会話やディスカッションでどんどん使ったり、英語でやり取りをする際に、メールの中で、あるいは文書の中で、時と場合によって使い分けることとか、thesaurus(類義語)の話だとか、派生語の話なんかをしています。

映画を観ながら書き取りをする方法は簡単なんです。

【映画やドラマを観ながら英語のフレーズを書き取る方法】

1. 映画を観ながらノートを開いて、気に入ったフレーズをどんどんノートに書き取っていく。その際、意味がわからないところは日本語字幕を見ても良いし、英語で聞き取りができない部分は英語字幕を見て書き取る。

2. 気に入ったフレーズのみで良い。自分が使えそうと思って、どうしてもメモしたいフレーズはメモしておくと良い。また、驚いたフレーズでも良い。

3. 楽しみながらやる。筋を追いたい人は、一度日本語で全編見ておいてから、2回目は英語字幕で映画を見、3回目は字幕一切なしで英語だけを聞きながら見ると良い。

4. 英語のトレーニングのみにフォーカスするならば、自分が気に入った映画を何度も観ながら、その映画を楽しみつつ、1、2の過程を繰り返しやると良い。

5. 洋画で有名なものは、googleで  [映画名 script]、と検索をかけると、台本が出てくるので、確認もできる。

6. 再び。楽しみながらやる。きつくなったり、疲れたら、やめる。飽きたら、別の作品でも良い。

英語を楽しむ、のがポイント。これは、最近僕の周囲で皆さんが次々と親しんでおられる「多読」についても同じことです。

多読は、全く英語がわからない人でも始められる素晴らしい語学学習です。多読は、入試問題を大量に解くことではありません。また、多聴も、リスニング問題を大量に聞くことを指すものでもありません。この勘違いのパラダイムを抜け出ないと、いつまで経っても、生の英語による多読や多聴の魅力にたどり着くことはできず、英語は勉強するもの、トレーニングは苦労してやるもの、受験で点数を取るのは苦行のようなもの、修行のきつさの先に悦びが見出せる、といったマゾヒスティックな語学学習論に終始してしまいます。

英語は苦しい勉強やトレーニングを経ないと習得できない、という考え方は、Steven Pinkerの本を読めば、説得力のない強引な暴論であることが分かります。Pinkerについて知りたい方は、こちらのwikipediaを参照してみてください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC

もっと勉強して、英語が上手になりたい、という気持ちはあって良いと思いますし、語学力が向上することにより、コミュニケーションにおいて、幅広く多くのことができることも事実です。

しかし、習得の段階やそのレベル設定、興味関心や、心理的な行動理論、フォーカスされうるべき分野などの項目を十羽一絡げにして、これこそが王道!という英語学習論を唱える向きに、僕はどうしても与することができません。

言葉を覚えることは本来、心が震える歓びを覚える行為であるはずであって、学ぶことは心から楽しくいてもたってもいられなくなる感情が鼓舞されうる行為なはずです。

その意味で、映画の書き取り、英語の歌を歌う、洋書の多読を楽しんでやる、英英辞典を楽しんで読む、海外のニュース記事を読んで時事問題に思いを馳せる、などの行為は日常的に行えるはずです。

僕が英語に接するようになって今年で31年目になります。中学一年生の頃、「英語は楽しくてたまらない!」という気持ちから学び始め、その後、向上のための努力を繰り返していき、自然でオーガニックな語学習得が、実は一番体と脳に良い、という結論に達しつつあります。

その意味で、今年も、オーガニックな語学学習への模索と探求を引き続き続けていくつもりです。

オーガニックな語学学習への関心は、去年の暁の会の活動や多くの勉強会への参加を通して、飛躍的に高まりつつあります。

口に出して言わないだけで、多くの人が、オーガニックな語学指導や語学学習への関心を高めているという事実も明らかになってきました。

ますます精力的に探求を続け、学びを深めていきたいと思っています。

話が逸れて長引いてしまいました^^;
ごめんなさい。

ちなみに、ブログのタイトルは、僕と西山くんが大好きな、Woody Allen監督の代表作、"Annie Hall"の中で、ダイアンキートンが言うセリフです。

もっとも大いなるもの

単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...