2015年3月4日水曜日

英語の授業の今後を考える。

新しく入試制度が変わろうとしてる。英語を英語のまま理解し、英語で発信できるように子どもを育てることを国が呼号して久しい。

国の外郭団体による入試制度を廃し、外部資格試験による、個人の絶対評価値によって、英語力の適否を判断しようと動き出している。

6年後にはセンター入試はなくなり、英語のテストは資格試験化する。その内容は、どれも北米留学向けの資格テスト並みになることが予想されている。

現行入試制度を見据えた対策をやっていても、最早対応が立ち行かないところに来ている。和訳や和文英訳の問題が入試に課されるのは、大学入学後の文献購読や資料分析の為に学生にいかほどの基礎学力があるか、という観点から出題が続けられているのだと思うが、今後は、文献購読や資料分析の他に、英語によるプレゼン能力、ディスカッション能力など、自己発信の力が高校卒業までの段階である程度の完成を見るように、と若者に求められるのである。

英語の必要性、グローバル化に関する論調の瑕疵はここでは取り上げないことにする。切りがなく、泥沼化するに決まっているので。

個人的に僕は、英語の力の必要性には賛成。ただし、セットで日本語の能力を伸ばして欲しい、と生徒には思っている。

母語による思考形成や論理展開が十分にできないと、外国語を通したコミュニケーションは難しい。母語の語彙が不足していたり、母語による論理の理解が不十分なままで、外国語を身につけても、それはハンバーガーショップにて釣り銭をもらったり、注文したりする程度のことしかできない。

短期にでも外国に行ったことのある人はわかると思うが、外国人と英語やその他の外国語を通じてコミュニケーションを図ろうと思えば、我々が日本人同士でするようなやり取りが外国語でできなければ、突っ込んだ関係には決してなれない。話に混ぜてもらえないのである。

話は趣味や特技の話ばかりなわけはない。世界のこと、政治、経済、スポーツ、芸術、様々な分野に話が及び、それについていけなければ、初めの自己紹介とか、ものの数分は良いが、それ以後は話しかけてもらえないのである。

自己主張やプレゼンも結構な話だが、プレゼンをする側の人間、則ち、話をする側の人間に基礎教養、基礎語彙がきちんと身に付いていなければ、外国語を通じて他国の人とコミュニケーションを行なうことなど、できないのである。

今、現場で英語を教えていて、一番気になるのは、生徒たちの日本語の力の無さである。語彙力が圧倒的に低く、文章理解の底も浅い。これでは英語で理解して、英語で発信することなど、本当にできるのだろうか、と生徒たちのことを慮るばかりなのである。

難しい日本語、古典に関して、特に20代の若者は、時間を割いて語彙力を増やして欲しいといつも思っているし、ニュースや報道以外で語られることに関して、注意関心を常に持ち、自分なりに調べたり、読んだりすることを日常化して欲しい、と僕は思っている。

その上で、英語、なのである。

さて、話が長くなったが、4月から僕は授業でのall in Englishを再開しようと思っている。どのような授業形態ができるのか、毎月勉強会を開き、全国の多くの先生方と学びを深めて行きたいと考えている。

今まではどなたかがなさってある会の末席に加えて頂くばかりであったが、満を持して、自分で会をやってみることにした。やる気のある人、前向きに英語授業に関して考えている人、そんな人たちと草の根運動かも知れないが、学びを深めて行きたいと思っている。

会は教員に限るけれど、もし読んでいる人が居れば、参加を前向きに検討して頂ければ、と僕は考えている。

どんな会になるのか、など、始める前から考えるのは愚かである。まず始めてみて、そこで起こったいろいろなことをそこに居る人たちと一つずつ考えて、整理して行けば良い、と僕は思っている。

過去に、授業で実験をしようと思い、色々なことをやったが、やる前は誰に話しても、無謀極まる、そんなことをして大丈夫なのか、と訝しがられたのが懐かしい。しかし、始まってしばらくして事が軌道に乗ってくると、不安は安堵に変わる。

僕は待つ人ではなく、動く人なので。思い立ったが吉日。やる。それしか考えていない。今、1名の先生から参加の申し込みを頂いた。胸が高鳴った。

たった2人だけの勉強会でも、僕は必ずスタートさせる。そして1年間、まずやってみる。

何かを得られる予感。何かが生まれる期待。
それに賭けてみたい。
頑張ってみる。

【勉強会のお知らせ】

3/30(月)の午後、勉強会をしようと思っている。場所は博多。参加人数は10~15名の少人数で行ないたい。


少人数で情報をシェアし合い、授業をし合う会にしたい。セミナーなどで講師などをなさったりしてない先生方向け。


ただ聴講する会ではなく、授業を実際に行ない、良い所を褒め合い、新しい手法や新たなメソッドを探り合う会にしたい。

授業形態は基本的にall in Englishで行ないたいので、英語で授業を行えない、という方にはご遠慮頂く。所属は、中学の先生でも、高校の先生でも、公立、私立も問いません。学校教員で前向きでやる気のある方であれば、どなたでも歓迎します。

ただし、オブザーバーや聴講のみは申し訳ないけれど、お断りしたい。実際に授業を行ったり、前に立ち、きちんと発表をするのでなければ、参加をする意味がない、と僕は考えている。参加者全員がcommitするような会でなければ、勉強会をする意味がないと考えているので。申し訳ないけれど、そこははっきりとさせておきたい。

僕が何かを教え諭したり、講釈を打つ会ではありませんので、念のため。

参加者全員がきちんと考え、学び、気持ちを新たに活き活きと学び合う会にしたい。そういう会をやりたいのです。


実りの多い会を期待しています。では、参加をお待ちしています。

参加ご希望の方は
dassenglish73@gmail.com


まで参加表明をしてください。
申し込みは
氏名
所属校名
携帯番号
メールアドレス
会で学びたいこと・シェアしたいこと

5点を必ず明記の上、お申し込みください。

参加者の先生方のみ に、詳細情報を3月16日(月)に送信致します。どうぞよろしくお願い致します。

もっとも大いなるもの

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