2016年3月16日水曜日

素敵な思い出の単語帳^^

今年でキャリア20年目でしょうか。節目の年。なんだか感慨深い思いもあるのか、と思いきや、案外そうでもないですね。

毎週のスカイプ講座、多くの社会人の方々とのロングの勉強会(2日間で12時間〜16時間)、様々な分野の方々との交流を通して、毎日新しい刺激や情報を頂いているので、振り返る暇もなく、毎日がめまぐるしく過ぎていきます。

僕と西山くんで立ち上げた「暁の会」という英語教師のための勉強会も、設立黎明期に鼻息荒く意気込んでいた1年前とは全く姿形を変え、今では肩の力が抜け、おおらかに、朗らかに、子供達に温かくできる限り自然な形で語学習得をして欲しいという姿勢が顕著になり、どっしりと構えるようになってきました。

この一年は「オーガニックな語学指導を子供達へ」をモットーに、授業や英語指導を心がけて教員生活を送ってきました。

西山くんや暁の仲間達、多読の会でお会いする温かい先生方、大学教授の先生、小学校の先生方、ネイティブの先生方、先生ではない方々、様々な方々との交流によって、僕が受けた影響は計り知れません。

部署では来年度に向けた準備の話が進んでいます。大量の教材見本が学校に送られてきます。その中で、ふと手に取った単語帳があります。

僕が30代前半に、速読速聴トレーニング(松本茂先生の名著)と共に取り組んでいた基軸トレーニング教材である「キクタンリーディング」シリーズです。

http://ec.alc.co.jp/book/7015009/

アルクという出版社が出していて、この本は数多く同社から出版される本の中でも、本当に語学学習のオーガニックな方法論を世に広めようという姿勢が編集者から伝わってくる温かい本でした。

僕はこの本がとても好きだったし、今でも好きです。学校でこの本を手に取りながら、昔の自分のトレーニングのことを思い出していました。

この本、なんであんなにときめいてTRに打ち込めていたんだろう、どうしてこの本、こんなに魅力的だったんだろう、という点について、しばしページを繰って考えていたんですね。

この本、一般的な単語帳と違う点は、以下の点です。

・音声CDがチャンツという音楽のようなリズムに合わせて読まれる。(それが楽しかった!)

・見出し語についている例文が、取って付けたような、日本人の発想で書かれたようなチャチな英文が載っておらず、自然な英文に触れることができたこと。(全部書き取りをして発音しました。)

・当時は珍しく、単語帳にキャラクターが載っていて、愛着がわいたこと。

・学校でやるような無味乾燥で愛想のない単語帳のような雰囲気が感じられず、学習者に良いものを楽しんで継続していけるように、という思いや願いを込めて作られていることが深く伝わってきたこと。

この単語帳は、上記の点から鑑みて、基軸トレーニングを行いながら、単語を覚えたか、覚えていないか、定着しているか、していないか、を自分でチェックすることも簡単です。

改善といって欲を言うならば、リーディング用の音声のみが収録されているCDが付属されているとなおのこと良いと思った点くらいです。あとはとても楽しく取り組めるので、特に言うことはありませんでした。

学校の中で使われる単語帳は、受験に照準を合わせたものがほとんどで、リーディング用の英文が掲載されているものが増えてきたとは言え、いまだに主流派は、見出し語のみが載っているものばかりです。

語彙は、漢字ドリルのような形で覚えていくのに加えて、実際にその語彙が使用されている文脈の中で、生きた形で触れて定着させていくと、その語彙の運用力と記憶力が格段に上がります。

そういう意味で、僕は、キクタンリーディングと、速読速聴シリーズを3年ほどかけて、およそ6冊ほど潰して、語彙数が広がり、定着も図ることができ、さらに音声を使った基軸トレーニングにまで活用することができて、ラッキーだったな、と今でも思っています。

見出し語ばかりが載っている単語帳も随分と自分のトレーニングで試してみましたが、どれほど一生懸命やり込んでも、認識語彙は増えても、それが運用力に結びつくことが少なく、実入りが少ないんじゃないか、とがっかりしたことが今でも忘れられません。

同時に、構成が淡々としているために、継続していく際に、知的刺激に乏しく、やる気がなかなか出ないし、疲れている時などは、砂漠の中を一人で孤独に苛まれながら歩き続けるような苦痛を味わったものです。

先日ご紹介した「速読速聴シリーズ」と、この「キクタンリーディング」は、前向きに継続していける仕組みや仕掛けで溢れています。

また、丁寧にやりこむことで、自分に身につく英語運用能力も格段に上がります。

しばしこの単語帳を捲りながら、とても懐かしい気持ちに浸り、思えば遠くへ来たもんだ、と胸を熱くしました。

思い出に浸るのも、春の一興ですね^^
ではまた^^

もっとも大いなるもの

単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...