2015年6月29日月曜日

暁の会in 京都外大、盛会のうちに終了しました^^

先日、「暁の会in 京都外大」を無事に終えることができました。初めてのジョイント開催でしたが、素晴らしい会になりました。参加してくださった先生方、本当に有り難うございました。


会の概要は、京都のリーダーである西山君が書いてくれていますので、そちらを参照して下さい。
https://www.facebook.com/Akatsuki.English4/posts/1489635274630356
僕は、自分が会に出席して思ったことなどを書いてみたいと思っています。


会は以下の内容で行いました。
【内容】

「発音矯正講座」
第2部「スティーブ:ジョブズのスピーチとフリートークの授業実践例」


第1部「自身の英語学習の変化と中2生対象のマララのスピーチを用いた授業展開とフリートーク授業実践例」   


発音矯正講座では、先生方と一つ一つの子音について、丁寧に発音練習していきました。今回は母音まで練習する時間を十分に取ることが出来ませんでしたが、ご要望があれば、継続して発音矯正講座を実施したいと思っていますので、気軽にメールでお知らせくださいね。


第一部では、「発表者が一人で発表をする」という形態ではなく、僕と西山くんのteam teachingの形を取って実践発表を行いました。音の仕込みと意味の仕込みが一体となって初めて英語のトレーニングの骨子ができる、という話、繰り返しさせる際に、生徒のつまづきが起きやすいポイントはどこかを細かく丁寧に解説し、先生方にも実際に発音をしながら体験していただき、現場で指導をする際にどのようなポイントに気をつけるべきかを微細に突っ込んでお話させていただきました。

トレーニングをする際に重要なのは、「できるようになった」という実感で、授業の初めと終わりを通して、生徒のパフォーマンスが上がっていることを生徒自身に体験してもらうことがとても重要になってきます。また、教員の想いが強すぎると上手くいきませんで、生徒達に行わせるトレーニングの内容も、量を限定し、重要である箇所を厳選して、focused coachingすると良いことなどをお伝えしました。


また、多くの先生方が抱えておられる悩みの一つである「和訳を配ってはいけない、という環境の中で、どのように生徒達に英語のトレーニングをさせていくか」という点についてもお話させていただきました。和訳が配れない状況の場合、既に終了している教材を用いてトレーニングをさせることが代替となります。今行っているレッスンなどの課題で和訳を配ってトレーニングをすることが難しい場合は、既習の内容をトレーニング教材に持ってきて、トレーニングをさせつつ、今やっているレッスンを進めていくという方法が可能です。

「和訳を配らないとトレーニングが出来ない」という考えに頭がジャックされてしまうと、思考がそこでストップしてしまい、先に進めなくなってしまいます。このピットフォールには、僕も若い頃何度も陥り、上手く行かなかった事を思い出します。

ですが、トレーニングをなぜ授業に取り入れようと思ったのか、という原点に立ち戻って考えると、この問題は意外にもすぐに解決出来る様になります。

たとえば、試験範囲がLesson 2,3,4の3つだとして、今Lesson4Part1あたりを授業でやっているとすると、Lesson4の和訳を配らないで欲しい、と同僚に求められた場合、できることが2つあります。

1つは、Lesson 2,3の和訳は既に配れる訳ですから、この2つのレッスンについて徹底的にトレーニングを強化し、「発音→音の仕込み→音読→和訳読み合わせ→英文を見ながら教師と練習→自主トレ→ペアでアイコンタクトしながら練習(これは暁で紹介した方法です)→英文を見ながら音声とともに音読→シャドーイング→ジェスチャーのシャドーイング→大和言葉和訳を見ながらシャドーイング→大和言葉和訳を見ながら英語戻し」の流れで生徒に「できる、わかる」を実感してもらうことが可能です。

2つめは、Lesson4の内容は、簡単な英語でsummarizationさせたり、穴埋めによって聞き取りを強化したり、教材の内容をQuestioningすることにより、簡単な英語で理解させることも可能です。


すなわち、既習内容では徹底的に「英語体得」に重きを置き、現在進行中のレッスンでは、「理解・把握・スピーキング・ライティング」に重きを置く、といった方法をとることが出来るのです。


また、レッスン全体の英文で教材を用意する時間が取れない、労力が心配だ、と言った場合には、全ての英文を教材化する必要はなく、指導者が「ここを重点的に取り組ませたい」と思っている一パラグラフや、1 partのみをこの方法で取り組ませると言った解決法もあります。




この点は多くの先生方も悩んでおられるところでしたので、次回の暁の会でも実践をご紹介し、同僚とのすりあわせをスムーズに行えるような活動紹介をしたいと思っております。今回の暁の会では、授業実践をその場で作って頂き、どんな風に授業を進めて行くか、という話し合いをペアで持つ活動を先生方にして頂き、その内容を全体発表して頂きました。この時間は佐賀でALT300名を前に講演をしたときの経験が活きました。全体で考えをシェアする、という方法は、参加者に働きかける活動としてはとても良い効果がありました。改めてそれを実感できる時間を持てたと事を感謝しています。



 
第二部の自分の実践発表では、西山先生が既に発表してくださったトレーニング授業の実践を大幅に端折り、ジョブズのスピーチそのものをトレーニングせず、教材の作り方、授業の計画(新しい英文教材を先生方に提示し、その場で授業の指導案を作っていただき,ペアで内容を吟味していただき、アイディアをシェアする、という活動)、絵本を使った実践、summarizationをトークの形でする実践、更にフリートークを使って意見を述べる実践の発表をさせていただきました。


指導実践を発表する際には、自分の普段の授業が色濃く反映されます。ですから、授業で実際にやっていないことを発表することはできませんし、発表の端々に、普段どんな授業をしているかが、どうやっても隠しきれずに出てきてしまいます。その意味で、通常の授業で何をとり組んでいるか、ということがとても大切な意味を持ってきます。今回の発表を通して、自分の授業をもう一度見つめ直し、丁寧に調整を行っていきながら、更に良いものを作り上げていこうと強く自覚致しました。

さて、懇親会では1つの個室に10名の先生方がひしめき合い、膝付き合わせて、肌の温もりを感じる距離感で、それぞれが現場で悩んでいること、一人一人の先生方が抱える悩みや課題について有意義に話し合う機会を与えられました。こじんまりとした勉強会の良さはまさにここにありでして、一人一人の意見や思っていることをお互いに共有出来るフットワークの軽さです。懇親会が充実するかどうかは、一人一人の方が自分の気持ちや意見を言って、それを聞き入れて貰える空間になっているかどうか、なんだな、と改めて考えさせられました。


次回の暁の会で僕が考えていることは、教材のネタに依らず、教師のアイディアや想いによって授業を作り上げていく活動です。良い素材を持って行けば、教師の力量がなくても、教材の魅力によって子ども達に豊かな時間を持つことが許されます。


ですが、自分も含め、多くの先生方が頭を抱えるのは寧ろ、教材の内容がちっとも面白くも何ともないのに、カリキュラムやシラバスの都合上、その素材を使って授業をしなければならないジレンマだと考えています。


次回の勉強会では、一見なんのおもしろみもなさそうな教材を使って、私たちの想像力や創意工夫により、教材に息を吹き込み、子ども達の心を揺さぶる授業をどのように創っていくか、ブリッジ教材をどのように準備するか、更に英語力を上げるトレーニングや内容理解、内容把握をどのようにきちんと落とし込むか、に焦点を絞って行いたいと思っています。

先生方が現場で置かれている立場を最大限考慮し、その内容にcommitできる実践発表をしていきたいと思っていますし、そのような工夫がなされなければ、僕らが暁の会をやっている意味があまりないのではないか、と僕は考えています。


そういう理由で、暁の会では毎回の実践発表がその都度変わります。第一部では毎回大切にしているトレーニングの実践を懇切丁寧に行い、第二部では、先生方の現場での苦悩に寄り添う形の活動を中心に、発表を行っていきます。



また、参加された先生方にもお伝えしましたが、僕らの「暁の会」は、向こう5年で活動を終了し、解散します。5年間という期限を切って、その間に僕らの群れの成果を出す、という目標を持って取り組んで行きたいと思っています。


ダラダラと長く活動を続けていても、会の意義が薄れて行くばかりで、あまり意味がないと僕と西山君は考えています。5年間で参加される先生方と共に成果を出し、子供達の為に授業を創って行く、教材を見る視点を肥えさせ、授業に息吹を吹き込む指導法を数多くcreateしていきたいと思っています。


次回の暁の会は以下の通りです。多数のご参加、お待ちして居ります。


8月1日(土)暁の会in 京都(多分、京都外大で行なえると思っています)

7月30日(木)暁の会in 博多(場所は市内の学校を予定しています)


ではまた^^

参加者の先生方へ。
会の冒頭でお読みした英文はここからの引用です。参考までに。
http://www.democracynow.org/2010/5/31/noam_chomsky_the_center_cannot_hold


もっとも大いなるもの

単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...