2015年5月8日金曜日

アンバランスというバランスについて

何気なく流れてくる情報記事に眼を通していて、記事に躍る日本語に目が留まった。
「この国は何かがおかしい。」と。また、ある記事には次の様にあった。「あなたはこの現状をどう思うか。」と。
また別の記事には「これは良い。」とか、「これはいけない。」とかの表現が続いた。

おかしい、というのは、ゼロの状態から斟酌して、マイナスかプラスかのどちらかに針が振れすぎている、という意味のことを言っているのだろうから、恐らくその言わんとするところは、ある視点の基準から考えていて、そのゼロ値からずれている、ということを意味しているんだろうと思う。

風邪薬で朦朧としながら、ふと考えた。個人主義がこれだけハイパーに進んだ社会にあって、もはや、なにがゼロ値であるのか分からないくらい、自分たちの身体感覚は麻痺させられているのではないか、と。

何が正しくて、何が間違っており、何が中庸なのかの判別ができなく無くなっている、そんな風に思った。ある主張が正しいのだとすれば、他方は間違っており、また他方が正当性を主張すれば、もう一方が、否、と言う。結局の所、私たち人間は、良いか悪いか、というどちらかの針に振れていなければ落ち着けないのか、となんだか暗い気持ちになった。

良いも悪いもない、どちらの要素もあり、更に三角な要素もペケの要素も、花丸の要素もあるのが自然なはずなのに、流れてくる情報の中には、ごく一部を除いて、すべてにシロクロがつけられている。どうしろというんだろう。

自分が考えていることが間違っていることだってあるし、自分が考えていることの正当性を主張する場合には、逆側の考え方をきちんとくみ取りつつ、相互の主張の拮抗するところを斟酌しながら、アウフヘーベン的に折りあいをつけていかなければいけないし、また、上手にやらなければいけないところと、上手にやってはいけないところと、のらりくらりいくところと、スピーディにやらなければいけないことと、拘泥しながらどこかに足を出す一歩を見つけながら前に進んで、はい、おしまい、となるのが人生なのでは無かろうか、そんな風に考えた。

「人生というのは4本足のテーブルに似ていて、こっちの足が長すぎるからと言ってノコでこっちを削り、すると今度はこっちが長すぎると言ってノコで別の足を削り、と、そうやっていくうちに、机ががたーんと倒れてしまう、それが人生というものではないでしょうか。」とは、三島由紀夫さんが生前のインタビューで言っていたことで、なかなか、上手いことを言うよね、と、24歳の時に感心したことがある。

あれから17年くらい経っているけれど、ああ、あのときに三島さんが言っていたことって、そういう意味なのかな、とぼんやり思ったりする。人生って、バランスが悪いものなのであって、バランスが悪いから整えようと必死なんだけれど、どれか一つの視点に偏ってバランスを取ろうとすると、全体のバランスが崩れてしまったりして、塩梅が悪くなったりするものなんだ、と思って理解しておかないといけないんだな、とこの頃つくづく思う。ルービックキューブって、ある面を揃えようとすると、別の面が揃わなかったりするじゃないですか?全部の面をきれいに揃えるのって、中々大変でね。それと同じことなのかな、って。

自分が間違っていて、自分のバランスが悪い可能性について、人間は愚かなので、ファナティックになると忘れてしまう。だから、自分の信念や主張が熱を帯びてきたときこそ、バランス悪いね、と自分を諫めて、別の視点や観点から自分を見てみると良いのかな、と思ったりしています。

ジョンレノンの歌を思い出すね。
“I read the news today, oh boy. 
About a luck man who made the grade and though the news was rather sad, well, I just had to laugh. 
He blew his mind out in a car.  He didn’t notice that the lights had changed. 
A crowd of people stood and stared.  They’d seen his face before. 
Nobody was really sure that he was from the House of Lords.  
I saw a film today, oh boy.  The English Army had just won the war. 
A crowd of people turned away.  But I just had to look, Having read the book.  I'd love to turn you on. “




もっとも大いなるもの

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