2016年6月8日水曜日

こんな英語の授業をしています。

「どんな授業をしているのか、見学に行っても良いですか?」というご依頼を受けましたので、自分の中で授業の中身を整理するために、普段やっている授業について書いてみることにします。

授業中は目まぐるしく活動が変わっていき、生徒たちは様々な活動を楽しんでやっていきます。

授業を作っていく時、僕が常に念頭に置いていることは3点です。
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1. 授業で行っている活動は友達や先生がいないとできないことであること。

2. 授業で行っているTRは家庭で再生可能であり、かつ、一人で勉強をする時に、英語力を自分一人ででも高めていけるヒントが数多く教材やTR法に含まれていること。

3. 友達の思考法や発想、やっている学習を知り、真似ができることがわかり、自己改善が行えるヒントが転がっていること。
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この3点を必ず守ることにより、生徒たちが家庭学習をする際に、授業で力をつけた中身を家でも再生し、力を強固なものにしていくことができます。

自学の習慣を確立させるためには、授業で生徒が学習法を知り、身に付けることができることが不可欠です。また、良い模範例が常に手に届くところに準備されていて、それらをいつでも参照することができ、それを自分の好きな時に好きなだけ活用できる環境を整えてあげることが大事です。

上記の意味では僕の授業や指導法は、詰め込んで生徒ができるまで繰り返させる方法ではなく、豊かな大自然で伸び伸びと逞しく育てていく放牧のような指導法だと考えています。

これまでのブログでは、家庭学習の様子、生徒とのノートでのやり取りなどをご紹介しました。これらの家庭学習は、授業で常に生徒たちが友達と一緒にやっている活動の延長線上にくるものであり、同時に授業と家庭学習は常に循環関係にあると言えます。

【帯活動について】
毎回の授業では、開始15〜20分で帯活動があり、毎時決まった活動を日替わりや週替わりでやっていきます。

帯活動の中には、以下のようなものがあります。

【高校1年生Communication1帯活動一覧】
・単語帳「キクタンReading」の読み合わせペアワーク
・英英辞典を使ったペアトーク
・英英辞典を使った語義調べとペアトーク
・英英辞典を使った単語調べとコーラスリーディング
・アルファベットを英語で言う。簡単な数字を英語で言う。尋ねる。
・曜日を英語で言う。月日を英語で言う。尋ねる。
・絵本の読み聞かせをする。(今やっている絵本"Blueberries for Sal"は長いので、毎時5分〜7分くらいで4ページ〜6ページずつ進めて、続きが楽しみになるように工夫しています。)
















・英語の歌を歌う。(今は"supercalifragilisticexpialidocious"を歌っています。映画"Mary Poppins"の挿入歌です。生徒はこの歌が大好きでたまらないみたいです。)

https://www.youtube.com/watch?v=tRFHXMQP-QU

・福岡女学院中高の坂本彰男先生から戴いた'Dice Talk'のプリントを使ったフリートーク。
→この活動、もっと早くからどんどんさせておけば良かった、と思いました。5〜10分で出来る活動で、生徒がどんどん英語を使います。英語で言えないことが見えてくると、もっと話したくなるので、家庭学習などで行う語彙学習や音読TRに力を入れる生徒が増えてきます。

変化を起こす生徒が増え始めると、それに引き摺られるように、他の生徒たちも影響を受け始めます。そこが狙いです。こちらから、首根っこを掴んで指導をする必要はありません。生徒の中から良い模範例を見つけて、それを生徒たちに毎週、間を空けて紹介し続けるのです。

【教科書を使った同時通訳トレーニング】
教科書は英語を身につけるためのツールだと僕は考えていて、本当は教材は教科書でなくてもなんでも良いのですが、生徒たちはテストを受けなければいけませんし、評価もしなければいけませんので、教科書を使って、帯活動が終わった後の時間にトレーニングを行っています。

同時通訳トレーニングなんかを生徒に課して、生徒は通訳になるわけではないので必要ない、と思われるかも知れませんが、それは違います。(僕は逆に、和訳や文法ばかりの指導をしていて、生徒たちを翻訳家や英文法の専門家に育てるのだろうか、と思ったりもします。)

通訳トレーニングの中には、英語を英語のまま理解するための素晴らしいスキルやメソッドが山のように含まれていて、これをやることによって、生徒たちに無理なく、継続して4技能(読む、聞く、書く、話す、の力)をつけさせることが可能になります。

教科書を使った同時通訳トレーニングについては、以前ブログに書かせていただきましたので、そちらを参照してください。
http://dassenglish.blogspot.jp/2016/05/blog-post_7.html

使用するプリント:和訳・立体構造トランスクリプト・発音練習用波形トランスクリプト

あの時から少し進化していまして、生徒たちから「ネイティブのように発音したいから、発音の授業をして欲しい!」という山のようなコメントが殺到し、「発音練習用波形トランスクリプト」というものを作成し、授業と家庭で生徒たちが発音練習ができるように工夫するようにしました。

これらのトレーニングをしますが、生徒たちに教科書の内容を説明する時間は毎時4分〜6分です。板書する時間、和訳を言う時間などは省略し、すべてプリントの中に収めてしまっています。和訳を声に出して読み、PREPで友達に要約説明をするTRも授業中に入れていますし、文法事項はプリントに書いていますので、そこを紹介して、大事なところをチェックさせ、トレーニングさせながら理解し、身につけさせています。

家庭学習では、教科書のCDとこれらのプリントを使ってトレーニングし、それらの記録を「音読トレーニングノート」に毎日つけて気づきや発見、改善点などをコメント書きしていくことが課せられています。

生徒たちは忙しい毎日を送っていますので、できない日も眠い日もありますし、提出日に出せない子もいますが、その週の間であれば待つよ、とだけ伝え、叱ったり叱責したり、嫌味を言ったり、罰則を科したりは絶対にしません。

【多読授業について:週1回50分。放課後補習にて実施】
多読の授業は週1回行っています。放課後の補習の50分です。
開始は英語で始め、挨拶や英語での掛け合いを楽しみ、その後、サイコロトークをしたり、読み聞かせをしたりして、多読活動に入っていきます。多読に使っている教材は"Oxford Reading Tree Series"です。

多読の授業に関しては過去のブログに書かせていただきましたので、そちらを参照してください。
http://dassenglish.blogspot.jp/2016/04/blog-post_28.html

Oxford Reading Treeシリーズについてはこちらのページを参照してください。単品で買うのは高額ですが、学年全員分で頭割すれば、400名生徒がいれば、一人1300円で1クラスに180冊分の洋書が揃う計算になります。
http://www.oupjapan.co.jp/ja/gradedreaders/ort/index.shtml

多読の授業中に生徒たちのところを回って読み聞かせをしている様子の動画はこちらにあります。
https://www.dropbox.com/sh/6tokmfbmad8uqle/AABvfrg-BrbGkUXnbwjpBjaAa?dl=0







もっとも大いなるもの

単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...