2015年9月4日金曜日

「正直、不安でした。」2学期の授業開き(TETEでの受験指導への挑戦)

昨日から新学期初めての授業が開始されました。正直申し上げて、不安で不安で仕方ありませんでした。

充実した夏休みだったのは良かったのですが、通常の受験対策授業に戻った時、どうやって授業を展開したら良いのだろうか、と迷いが生じていたからです。

TETE(Teach English Through English)を実践しようにも、高校三年生の子供達は受験を控えています。受験勉強とAll in Englishは相容れないのではないか、普段は怖いもの知らずで恥知らずな僕の心の中にも、わずかながら不安が過っていたのだと思います。

8月の後半に、ICU(国際基督教大学)に研修に出掛けて行き、有意義で学び深い2日間を過ごしていたので、まずは自分に出来る事をやろうと考え、3クラスの授業で授業改善を行いました。

7月の大分県での発表、および暁の会京都ジョイントの際に参加された先生方にお伝えした、"Blending & Balancing"を実践する絶交の機会だと考え、言い出しっぺの僕がこれをやらなければ、と思い、2学期の授業開きで実践しました。

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使用した教材:ユメタン1のUnit10(語彙の復習)アルク出版
       The Japan Timesの記事より

授業内容:語彙の復習と、長文読解

タスク:英語によるガイダンスを聴き、日本語で話し合い
    その後、英語による解説を聞き、考えを深める。

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授業開きで意識したのは、休み明けで固くなっている子供達の授業姿勢や、鈍っている頭と気持ちを解す気持ちで「日本語で話し合いをしても良い」という条件にしました。これを徐々に英語によるアウトプット活動に戻して行く予定です。

語彙の説明は日本語で行なった方が良いのではないか、と思っていましたが、ユメタンという単語帳を使って、英語で質問を投げかけながら、語彙指導を英語で行ないました。今までにもこれに似た活動を仕組んだことはありますが、長い時間を掛けて、じっくりと英語で語彙指導を行なったのは久し振りでした。とても有意義でした。子供達に気付きや新しい発見を促すことができ、充実感がありました。

The Japan Timesの記事は、「オリンピックのエンブレム盗作問題」に関する記事を用いて、Media Literacyをどう高めて行くか、という結論をゴールに、記事の内容を読み、友達と記事の内容について日本語で説明する(要約)活動を行い、その後、この話に関するinside storyを僕が英語で説明する、という流れを汲みました。

盗作という行為そのものに関しては、その是非は問われるべきだけれど、そのことと、本人の人格、人間性、今までの背景まで全否定されかねないネットでの袋だたき行為'Crowd bullying’って絶対にやってはいけないことだよね、と英語で語りかけ、締めくくりました。

また、今日の放課後は、自分のクラスで受験に向けた補習がありましたので、その補習では「慶應義塾大学」の長文と、The Japan Timesの新たな記事を用いて要約に取り組みました。

この補習を終えた後、自分のクラスの生徒達のことを本当に愛おしく思いました。ほぼ英語での説明をしつつ、子供達にとって理解が難しい箇所に日本語を用いて説明を加え、再び英語で発問を続けるという形態を通して90分の補習を終えました。受験指導を英語で話しながら行なうなど、自分にとっても人生で初の試みでした。
今まで自分が、「受験生にとって、All in Englishで授業を行うなんて、狂気の沙汰ではないか。」と思っていたことが恥ずかしくなりました。子供達は英語で語りかける僕の話を真剣に聴いてくれます。誰も馬鹿にしたり、先生、日本語で全部やってくれよ、なんて顔をしません。僕は本当に自分のクラスの生徒達に恵まれています。授業が終った後、あの子達を抱きしめたくてたまりませんでした。

ある未知語の対立概念を教える時にも、日本語でズバリその単語の意味を言ってしまえばそれで終わりですが、Oxfordの辞書で調べた語義だけを板書し、この単語はなんでしょう、と英語で尋ね、子供達同士に考えさせるだけでも、答えと解説を聞いて終わり、というような不毛な授業とは様相を異にしていました。刺激の与え方、子供達への語りかけの仕方、発問の立て方など、昨日と今日の授業の中に、答えが沢山詰まっていた様に感じています。

受験指導は「All in Englishと、時折日本語のBlending」で十分にやっていける、そのように強く確信しました。

昨日と今日の授業では、子供達のoutput活動はほぼありませんでしたが、来週にその活動をして継続性を持たせたいと思っています。その際、同じ新聞記事ネタでは子供達に刺激が足りないので、仕掛けが必要だと思っています。

僕が昨日と今日で気をつけた点は以下の点です。
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【TETE(Teach English Through English w/using Japaneseの指導のポイントと教員が憶えておくべき留意点】

★英語で子供達に多くの「平易な英語の質問」をすること。

★話し合いをさせるとき、ヒントが少ないセッションでは日本語で話し合いをさせ、授業の活動の取り組みのハードルを下げること。

★理解が難しい表現や言い回しは、2回でも3回でも繰り返し語りかけてあげること。一度目はナチュラルスピードの英語でも良いが、2回目、3回目の説明では、ゆっくりと、はっきりと語りかけること。

★子供達に英語で語りかける時、名詞構文や関係詞を多用し、子供達が苦手とする構文や関係詞に対して免疫をつけさせること。

★答えをすぐに教えるのではなく、子供達に考える時間をあげる
こと。

★指示を明確にすること。

★子供達に与えるタスクの目的、目標を、自分(教員)が明確にして子供達に語りかけること。

★ただ音読させるだけ、ただ覚えさせるだけ、を止めること。音読と暗唱・暗記に目的を持たせること。何の為にそれをしているのかを明確にすること。

★抽象概念を説明する時に、具体例を必ず2、3提示し、自分が
話す英語が常にロジカルに、PREP構造になっていることを意識し続けること。
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昨日、今日の授業開きがこんなにも達成感を持ったものになるとは思っていませんでした。夏休みにICUで勉強したこと、毎週、暁の会on the webで参加者の方々とトレーニングを続けていること、普段自分がニュースを英語で読んでいることなどが、この2日間の授業に見事に昇華されました。

深い学びが良質のアプトプットへと変化して行く過程を、これほどまでに深い実感を伴って感じることができたことを、授業を受けた子供達に感謝したいと思います。

子供達に良質のインプットを与え続け、意義あるインテイクを繰り返し、良質のアウトプットを促して行きたいと心から思いました。

思えば僕も、無意味なインテイク活動を盲目的にやらせていたものだ、と8年前からの自分の授業を反省しているところです。

過去の自分にこんな風に問いかけてみたいです。反省の材料になると思っています。深い自戒です。

「立って音読させるのは何のため?」

「タスクになぜ罰ゲームが居るの?」

「繰り返し読ませることの意味は何?」

「単語は意味を言えばおしまい?それは語彙指導になるの?」

「単語帳の使い方に工夫はあるの?語彙指導にオーガニックな広がりがないけれどそれでいいの?」

「大意要約はロジックパターンを教えておしまいなの?」

「教科書のマニュアルと受験指導テクのマニュアルを読んで授業をすれば、それが良い授業なの?」

「文法指導はただ教えればおしまいなの?子供達に考える時間はあるの?発問はしなくていいの?」

「教材や教科書はマニュアルに書いてある通りにすればいいの?アレンジや工夫は生まれないの?」

「英作文の指導って、日本語分析なの?英語を英語のまま考えられるように子供達に発問出来てる?」

「厳しく子供達を鍛えることが良い英語の授業なの?」

「スパルタ教育は英語の授業に必要なの?」

「英語のトレーニングさえさせておけば、それは良い指導なのかな?」


過去の指導を受けた子供達に申し訳ない気持ちで一杯です。
過去の生徒達、ごめんね、俺、未熟だったんだ。まだまだ勉強不足だった。本当にごめんな。今度会った時に飯でも食いながら、未来の話を語り合おうな。

上述したことは、過去に僕が全て行なっていた授業形態です。反省一入。こんな授業をやっていたのか、と思うと、子供達に申し訳ない気持ちで一杯です。

夏休みが終わり、二学期が始まった矢先から、こんなに素晴らしく充実した授業が行えるとは思っていませんでした。子供達に深く感謝しています。

来週は2日間の授業を踏まえて、新たな展開を行ないます。楽しみです。「本当の英語のチカラが身に付く受験指導」を目指し、一生懸命に子供達に向き合い、授業を創って行きたいと思っています。

ではまた^^






暁の会on the web、ついに10回目を数えました!^^

暁の会on the web,熱く終了しました。昨日は10回目のon the web講座、参加者は僕を含めて4名。少数で、かつ全員が英語教師ということもあり、2時間の長丁場、大いに盛り上がりました。

参加されてある方々が着実に成果を上げておられるのを見て、とてもうれしく思いました。また、講座が始まったばかりは、普段のトレーニングもなにもなさってなかった方々が、今は自分でトレーニングを日々頑張っておられるとのこと、とても頼もしく感じました。

暁の会on the webは無料の講座です。どなたでも参加できます。
英語で話し、英語で聞き、英語で発音の練習をし、英語でライティングし、英語でディスカッションをして、英語で自分の意見をプレゼンする講座です。英語力や経験など、一切問いません。

毎週水曜日21:30より、90分~120分くらいでゆるく行っています。
フェイスブックなどでは、いいね、が沢山つきますが、参加者がなかなか増えることはないです。
でも、実際に勇気を出して、よし、参加してみよう!と思う気持ちを大切にしていただければ、と思っています。参加した方々は、高校生、大学生、サラリーマン、教員、皆さん毎週着実に力をつけておられます。
自分の投稿記事に「いいね」が沢山つくよりも、参加される方々の英語が確実に変わること、それによって、ひいては自分の仕事や学習などが某かの影響を受けることを心から望んでやみません。

来週も水曜日の21:30よりスカイプにて、on the web講座、スタートいたします。
参加ご希望の方は、メールにてお知らせください。
Dassenglish73@gmail.com

以下、参加者の先生方の声を掲載します。
「本日、第10回目となる暁の会of the web、いつもとってもためになって、明日の授業ですこしでも実践したくなる濃い勉強会です。今ある汚れたプライドを捨てて、新しいプライドを構築したい!
今日は、ディズニーのWho's Afraid of the Big Bad Wolfより。
聞こえた通りにしゃべること
なんども聞いているアドバイスを元に英語圏で3歳児が歌う歌を大人の僕らが舌を噛んで練習。韻を踏むと気持ちいいって感覚、なんかしっくりくる感じが良かったです。僕の場合は、and 〜 の時の音が、dの音を入れて汚いandになるときと、ちゃんと言える時があって、ご指摘いただいて初めて気づきました。確かに。
また、1人練習の時になぜか上手く発音しているらしいです。本番に弱いのでしょうか?でも言える可能性があるんだと、小さいけど進歩を感じました。今までの歌の中で一番上手く歌えたかもしれません(そりゃ3歳児の歌ですもんねー)
when the wolf comes
Through your door
の歌詞の部分、最後までひっかかっていましたが、全部強く発音していました。それを指摘していただいたらリズムに乗ることができました!うちの子に歌って自慢してやるために練習します。
後半は、事実英語、オリンピックのエンブレムデザインの盗用に対するバッシングと、小保方さんのスタップ細胞事件には相似性があるという内容の、かなりわからない単語が多い英文でした。allegation疑惑、plagiarism盗用、fabricationデマ、falsification捏造、などなかなか出てこない言葉に四苦八苦。でも、時事英語は、わからない単語は気にせず、前後の話の内容や後々になってわかることがあるので、諦めずに読むことが大事ということでした。
この時事英語を避ける先生が多いとの事。やはり、教科書英語で偉ぶってはいけないのですね。本物の世界を知っている先生の方が百倍魅力的な授業ができますし、そういう先生から習いたいと思うはずです。自分自身も生徒たちに、「カッコの中を埋められて、正解して100点とったからって英語が話せるわけないじゃん。もっと自分の身の回りの事に常にアンテナを張って、いろいろな知識を得るようにしていって初めて道具としての英語で、自分の知識を用いて人と意見を交わせるんだよ。」なんて分不相応な事を言っているのだからもっと自分もそれ以上に興味を失う事なく吸収していきたいと思いました。それが生きる事なんだと。若い人たちと生きていきたい。
最後は、十督先生と先生のクラスの生徒さんとのエピソードを聞かせていただきました。担任としての先生が初めて垣間見えた時間でした。自分も今受け持っている生徒たちにたくさん還元していきたいと思います。
9
月の四谷、参加させていただきたいと思います!」(福島県の先生)

暁の会on the web終了!
自分の中でのon the webの存在が変わった会となりました。最近自主トレを習慣化できてきて、そこで取り組んだこと(発音)の成果を僅かでも実感できたからです。
レッスン洋楽を唄う
今日は「who's afraid of the big bad wolf(狼なんか怖くない)」。この曲は北欧のアカペラグループthe real groupが「big bad world」としてアレンジしていたので懐かしかったです。
リズム感や韻を意識しやすい曲でした。教科書や、授業用のアナ雪の曲を猛練習した甲斐あってか、th,rl,fv,の音は自動的に口が動くようになってきました!一方で、課題は語尾の子音を誤魔化さないそしてやっぱりの音。もうこれにk/hでも苦しんでます。
でも今日は一つヒントを発見!一緒に講座を受けてた先生が自主トレ時間にふと歌われたとき、めちゃくちゃ力が抜けていたんです。ああ、こんな感じで軽〜く読んだらいいのかって。
正しい発音とリズムで歌えば、洋楽はもっと楽しく歌える、力もつく!最近はこれが伝わっているのか、生徒も楽しく熱心に一緒に歌ってくれます。
レッスンJapan Timesを読む
十督先生が音読してくださった後に5分間自分で確認。2行ごとにわからない単語が続出して硬直していた所に先生よりアドバイス「時事英語を読むときは分からない単語を気にしない」。a flurry ofとか、へぇ〜ってなって。読まなきゃ。というか、読みたい。だってコツコツ読んだらこういう表現を知れるんだから。
最近、考え方が変わってきた気がしてます。自主トレやったらやった分、ちゃんと効果が出るんだってことを暁の会で身をもって実感させてもらえるので。
僕はこれからもっともっと戦っていきます。なんか言われたらそんときはそんとき。やりたいことをやりたいだけやらせてもらいます。なんちゃって」(暁の会博多メンバー、矢野先生)

『暁の会』on the webがきょうで記念すべき10回目を迎えました。博多の矢野先生、福島の柏倉先生、十督先生と今夜は教員のみでより濃密なセッションとなりました。
昨夜と同じように歌から入り、リーディング教材はJapan Timesから東京オリンピックのロゴ問題をチョイス。時事英語は鮮度が高く、本当に面白い。パッケージ化された加工食品のような市販品と違い、何をするにしても自由。生徒たちを刺激する素材の宝庫です。今夜は授業での解説方法や言葉の選び方を学習しました。
このセッションがあるおかげで、日々の英語学習が非常に充実しており、すっかり北米ニュースでのトレーニングが習慣化しました。まあ、楽しいからやるだけだけど。やりたいからトレーニング、楽しいからトレーニング。しかし、今選択している番組やKHsystemの資料を徹底的にやり込んでいます。見える世界がすっかり変化してきました。

これもひとえにweb講座と十督先生のおかげ。会の仲間と切磋琢磨していける素晴らしい環境があることに感謝。webセッションで同志とともに、ぐいぐい伸びていくでぇ!」(暁の会京都リーダー 西山哲郎先生)

もっとも大いなるもの

単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...