2019年6月16日日曜日

もっとも大いなるもの


単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。
でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。

oshienと単語テストに書いてきた。oceanのことだと思う。
この綴りをはねるのにためらいを覚えた。
この子の姿勢を抱きしめずにはいられなかった。
この子のことを守りたい、と思った。

中学1年生の生徒が教育の原点を教えてくれる。
子供はまっすぐに一生懸命に向き合っている。

この子たちが持っている胸の温もり、優しさ、心の中のやわらかさを
決して傷つけてはいけない、と強く思った。

この子たちが持っている、素直で素敵な気持ちを、
僕は絶対に奪ってはいけない、と思った。
この子たちの笑顔が授業から消え去るとき、僕はこの子の前に立っている「おじさん」から、「ただ英語を教えてくれる男性」に変わる。

授業は愛で結ばれているから、スキルやメソッドが生きる。
23歳の時に生徒と過ごしていてぼんやり感じていたことは、
45歳の今、中学1年生と過ごしていても1ミリも変わっていない。

コリント人への第一の手紙に書いてあることは、まことである。
決して忘れまい、と思った。
【コリント人への第一の手紙 13章】

13:1
たといわたしが、人々の言葉や御使たちの言葉を語っても、もし愛がなければ、わたしは、やかましい鐘や騒がしい鐃鉢と同じである。 13:2たといまた、わたしに預言をする力があり、あらゆる奥義とあらゆる知識とに通じていても、また、山を移すほどの強い信仰があっても、もし愛がなければ、わたしは無に等しい。 13:3たといまた、わたしが自分の全財産を人に施しても、また、自分のからだを焼かれるために渡しても、もし愛がなければ、いっさいは無益である。
13:4愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない、 13:5不作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。 13:6不義を喜ばないで真理を喜ぶ。 13:7そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。
13:8愛はいつまでも絶えることがない。しかし、預言はすたれ、異言はやみ、知識はすたれるであろう。 13:9なぜなら、わたしたちの知るところは一部分であり、預言するところも一部分にすぎない。 13:10全きものが来る時には、部分的なものはすたれる。 13:11わたしたちが幼な子であった時には、幼な子らしく語り、幼な子らしく感じ、また、幼な子らしく考えていた。しかし、おとなとなった今は、幼な子らしいことを捨ててしまった。 13:12わたしたちは、今は、鏡に映して見るようにおぼろげに見ている。しかしその時には、顔と顔とを合わせて、見るであろう。わたしの知るところは、今は一部分にすぎない。しかしその時には、わたしが完全に知られているように、完全に知るであろう。 13:13このように、いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは、愛である。



もっとも大いなるもの

単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...