2015年11月23日月曜日

文法の血肉化

毎週2回、2時間強(長くなる時は3時間)、Skypeを使って、英語の勉強会をしています。

毎週水曜日に、定例の勉強会「暁の会on the web 水曜日勉強会」を開催し、既に22回勉強会を持つ事ができました。今年5月から初めて既に7ヶ月の月日が経ちました。定例化し出したのは今年の9月くらいからですが、定着してきました。

毎週、英字新聞の記事の中からトピックを選び、その内容について黙読し、その内容を元に、個人個人がめいめい英語で意見を述べて行き、ディスカッションをするのです。

この会では、ロジックをきちんと意識して話をしているか、が一番問われます。文法的な間違いや、語彙のmisuseなどについては、その都度指摘はしますが、重箱の隅を突く様な形で訂正したりはしません。

水曜日の勉強会では、英語のロジックにきちんと則って英語を話す事が重視されています。ですから、記事の内容の理解がある程度不十分でも、他人の意見を聞きながら自分の意見を構築する事も可能ですし、人が意見を言っている間に、ウェブや書籍を使って、その場で調べものをすることも可能です。

毎週、8〜12名の参加者があり、活発に英語で討論しています。参加者の英語レベルは様々ですが、相手の上手い下手を気にするよりも、相手の言いたい事はなんなのか、その言いたい事に対するexampleやevidenceはきちんと示されているか、という事に視点を置いて会を進行しています。また、日本人にありがちな、evidenceやexampleばかりを述べるけれども、言いたい事が今ひとつはっきりしない意見などに対して、お互いに質問し合い、自分の言いたい事を具体化していく作業を繰り返しています。

日曜日にもSkypeで勉強会をやっていますが、こちらは、毎日英語の音声を使ったトレーニングを行なっていて、尚且つ、生素材(北米メディアソースなど)を使って多読や多聴が行なえている人が対象です。特にTOEICのスコアや英検の級で人を選んでいるわけではありませんが、勉強熱心な方、更なる英語力向上を目指している方を中心にお声掛けをして、少人数でより深く英語力を高める勉強会を開催しています。

日曜日の勉強会は、個人の発音矯正や、英語トレーニングに関する細かい指導を行なっていますが、今週から「辞書読会」という取り組みを始めました。

辞書読会、というのは、辞書をAの項目からひたすら30分間読んで行く、という活動です。辞書の多読、と言えば良いでしょうか。特にどこを読め、とかの指示はありません。30分、個人個人がひたすら辞書を読んで行き、印象に残った語彙や、再認識が得られた既習語彙に関して、ノートにメモを取りながら、いけるところまで辞書を読み進める活動をしています。

この活動は、多読学習の取り組みに影響を受けた事がまず一つ、それから、英英辞典を丁寧に全ページ目を通すという学習は、思いついてもなかなかすることはないだろう、と思い立ち、日曜日の勉強会に取り入れる事にしました。

辞書読会の目的は何もありません。これをやったからと言って、語彙力が上がるだろうとか言う仮説すらも立てていません。単純に、おもしろそうだからやってみよう、という目論みです。

アルファベットは26文字ありますから、26週すれば、辞書を一冊読んだ事になります。形だけは、辞書の全てのページに目を通した格好にはなるわけです。

三島由紀夫さんの愛読書は、国語辞典だった、という話を聞き知っています。僕が英英辞典の辞書読会を思い立ったのも、三島さんほどの語彙は身に付かないかも知れないけれども、辞書を読んで行くうちに、数値化されない知見が高められていくのではないか、という動物的な直感から、ならばやってみようか、ということで、仲間に話すと、やりましょう、ということで、皆がOxford Advanced Learner's Dictionaryを購入して来て、やることに相成りました。

面白いもので、読み始めると、気になる単語がたくさん出て来て、なるほど、これはこういう意味があるのか、ほうほう、この単語は英語で説明するとこういう意味になるのか、といった驚きの連続で、Skypeでつながっているもんですから、その驚嘆や喜びを、時折仲間とシェアしながら、どんどんと進んで行きました。

その後で、感想を述べ合いながら、時事英語の記事を読み、発音矯正をする時間になりました。発音矯正は個人個人の音を聞いて、丁寧に指導を入れて行きます。皆さん、一週間真剣に練習して来られてあるので、真剣です。僕も耳の集中を180%くらいにして、お一人お一人の発音を聞き、できうる限り、ネイティブに肉薄できるように丁寧に指導を重ねて行きます。

発音を細かく指導し出すと、1つの段落を何度も何度も読みながら、音を矯正して行く作業に終始します。教える方も、教わる方も、それは真剣で、細部に渡り、微に入り、細に穿つて、丁寧に丁寧に音を見て行きます。

ここ2週間、参加者の方々の飛躍目覚ましく、皆、驚くほど発音が上手になりました。

今、気をつけているポイントは、pausingです。pausingとは、チャンク(意味のある語句の塊)ごとにきちんとポーズを入れ、各チャンクの音の出し方に、take off (音を上げて読む)、on the top (音を安定させる)、soft landing(音をそっと下げる)、を作って行く、というスキルです。

英語の文章を読むとき、前からチャンクごとに区切って読む事ができると、スムーズに、滑らかに、fluencyを持って英語を読む事ができます。しかし、この時に大事なのが、区切り目を瞬時に理解出来る事、すなわち、英文法がきちんと理解出来ている事、が必須条件になります。

英文法をきちんと理解していないと、初見の英文をスムーズかつ滑らかに読みこなす事は絶対にできません。音の区切れ目、はすなわち、文の区切れ目なのです。英文を読んでいる時に詰まったり、引っかかったりするということは、文の区切れ目が理解出来てない、すなわち、文法をきちんと理解できていない、ということになります。これは音を読めば一発で分かります。

英文法を頭で細かく理解している人は多いのですが、音と文法が一致していない人は、そのほとんどと言っても過言ではないくらい多数存在します。音を出してみると、自分が理解しているはずの文法が、瞬時に認識レベルで使えるコマとして定着していない事が一瞬でバレてしまいます。

音読を繰り返したり、シャドーイングをする時に、時折私たちは音にばかり集中し過ぎて、語彙や文法のことを無視する嫌いがありますが、文法がきちんと100%瞬時に理解できるレベルにまで、身体に血肉化されていないと、初見の文章を出された時に、何度も突っかかったり、つまづいたりします。

乱暴に言ってしまえば、音がスムーズに出ない人、音読がスムーズに行なえない人は、文法がきちんと理解出来ている事にならないのです。

そのことを日曜日の会の参加者と確認し、今週の学習に戻ってもらいました。

文法をきちんと理解していなければ、音の壁ができる。文法をきちんと使えるレベルに血肉化できていなければ、発音や発話のfluencyは絶対に得る事は出来ない、その事実を皆で共有し、今週の勉強会を閉じました。

音の指導を通じて、学習の内容が文法にまで至る様になりました。ここまでハイレベルな英語学習について来ている参加者がいらっしゃる事を心から誇りに思いますし、彼らが今後、手足の様に英語を操り、コミュニケーション能力を高めて行く事に胸躍ります。

発音指導の際に、超文法の話にも触れます。超文法とは、学校英文法で習った内容で、ネイティブが無意識レベルで意識している英文法事項のことです。全部で9ポイントあります。それに絡めて構文の話もするように心がけています。

超文法の講義については、暁の会のリアル勉強会でお話するようにしています。

暁の会リアル勉強会は、12/26土、27日に博多で、また、3/26土、27日に東京で、開催します。そこでお話するようにしています。

超文法の考え方が身に付くと、スピーキングとライティングの能力が飛躍的にアップします。また、生の素材から拾える情報が飛躍的に増える、というメリットもあります。

興味のある方は、暁の会リアル勉強会にご参加ください。

12月の博多の勉強会はこちらからお申し込みが可能です。
https://akatsukienglish4.doorkeeper.jp/events/31893

尚、既に申し込んでいらっしゃる方、大変申し訳ありませんが、開催時間が朝9:30ではなく、午後14:30より21:30までの変更になりました。あらかじめご了承ください。12/27日曜日の勉強会の時間を9:30~14:30までとし、時間は延長して開催させて頂く予定です。ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。



今日はたくさん書き過ぎましたが、参加者の講座の感想に心動かされ、自分の考えを述べる事にしました。

ではまた^^





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