2016年4月21日木曜日

やらない「善」より、やる「偽善」

新しい年度がスタートし、いろいろと始めたこともあります。

「多読授業」がその一つ、もう一つは「スカイプ講座」の改定です。

今年から待望の「多読授業」がスタートしました。本当にうれしくてたまらない。この日を待ち望んでいました。


この本は「イギリスの小学校教科書で学ぶ英語」という本の一節です。夏目漱石が「多読」について言及している箇所が引用されています。「受験」という物差しだけで「語学学習」を見ていると、この文脈を理解するのは難しいと思います。


多読の授業は生徒たちにOxford Reading Treeという絵本のシリーズを読ませる活動をする授業です。

生徒たちのところを一人一人忙しく回り、生徒とマンツーマンで読み聞かせをページごとにしたり、わからないところはないか、発音はわかるか、などの個別相談を英語でして、生徒一人一人との英語のやり取りの連続で、50分の授業があっという間に過ぎていきます。気がつけば授業が終わっている感じです。

生徒たちは自分が手に取った本を音読しながら、読み終わったら記録ノートのプリントにコメントとrating(5段階評価)をつけていきます。評価とは、面白かったか、面白くなかったか、という点です。

この授業には点数もテストも評価もありません。ですから、一人一人が自分の活動にcommitしないと、達成が得られないのです。

生徒が自立するのを精一杯支援しながら50分を終える、と云った状態で、新任教師の頃に戻ったような気持ちで多読授業をしています。

ですが、授業の帯で生徒に英語で授業の趣旨を説明する際の生徒たちの真剣な眼差しや、英語そのものを理解したい、使いたいという生徒の静かな思いを感じました。



検定教科書の英文について。文法的に正しい、と日本人が勝手に信じ込んでいる英文は、実はネイティブにとっては全くナンセンスである、ということが書かれてありました。間違いだらけで英語として不自然な例文ばかりが載っているベストセラー単語帳の例文を思い出していました。

 問題を解いたり、テストを受けたりすることに、生徒はうんざりしているんじゃないか、と僕は感じました。もっと初期の段階で、たくさん生の本物の英語を吸収し、たくさんの生の英語に触れて18歳を迎えたら、受験勉強なんて、もっともっと楽に過ごせるんじゃないか、と思いますし、大学に入ってからも、社会人になってからも、英語を楽しんで続けていけるモチベーションが得られるんじゃないか、と僕は改めて思わされました。

2つ目。「ウェブ講座の改定」。2時間やっていた講座を1時間に短縮することにしました。
参加者の皆さんの集中度は増し、内容も整理され、とてもすっきりとした講座に生まれ変わりました。9ヶ月続けてきて、この講座も安定してきました。英語を楽しんで使いながら、毎週少しずつ新たな視点を皆さんとシェアできれば、と思っています。

そして、予期せず始めたこと、3つ目があります。

不幸にも九州では大きな地震があり、特に熊本、大分を中心に被災された多くの方々がいらっしゃいます。

生徒たちが届けてくれたたくさんの支援物資。卒業生もたくさん駆けつけてくれました。
熊本や大分出身の大切な親友がいます。また、在住の仲間も数多くいます。ですから、何かせずにはいられませんで、個人的にfacebookで呼びかけをし、物資の調達(福岡市に輸送を委ねます)と支援金の呼びかけ(支援金ボックスに入れます)、を毎日することにしました。
車の後部座席にパンパンに詰まった支援物資です。

個人的にしていることですが、実際に動いていると、自分の方がこの活動を通して、多くのことを学ばされていることに気づきます。

人のため、と思っていることでも、実はその行為を通して、多くのことを逆に学ばされている、という大切なことを、僕はこの活動を通して学びました。

気付かないことがたくさんある。

大切なことは、暁の会の活動、学校の仕事、災害支援、どれ一つにも言えることですが、「続けること」だと思っています。

息長く、自分に出来る範囲のことを続けていきたいと思っています。

東北の震災支援もまだ不十分だと聞いています。
東北の地でも、暁の会を開けないか、事務局で相談しようと思っています。できることを、とにかくやりたいです。

ではまた^^


0 件のコメント:

コメントを投稿

もっとも大いなるもの

単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...