2015年4月23日木曜日

教室で紡ぐ詩

生徒と毎回授業で英語の会話を楽しみながら、活動や授業に入っています。新しい学期に入り、新しい学年に入ってから、心機一転、新しい自分で臨もう、と、今までやってきた授業法を全て打ち捨て、毎日指導案を書き、授業の反省日誌をつけて日々を過ごしています。


そうすると、反省日誌のお陰で、自分のボロが色々と見えてくる。ここが拙い、ここができてない、ここはダメだ、ここはもっとこうした方が良いんじゃないか、とか。


ではそれを改善する為に、と考えたとき、こういうプリントを作った方が良いんじゃないか、とか、こういうやり方がいいんじゃないか、と思案して行くうちに、やり方に工夫をこらす様になり、仕事がどんどん増えて行きます笑。


本当、僕、どうしたんだろう笑。人が変わった様に仕事に打ち込んでいます笑。自分じゃないみたい笑。物凄く仕事をしています笑。誰から頼まれたわけでもないのに笑。


バカです、はい笑。


そんな毎日を過ごしています。今は昼休みに高校生にテニスの練習についてもらい、打ち合いをしながら40分くらいテニスの練習、放課後は中学生と一時間半くらいテニスの練習、レッスンのある火曜木曜はこれにプラスして80分ずつ、週に二回の筋トレも欠かさずやっています。


ラテン語の勉強は相変わらず笑。仕事が増えた分、古典漢文は少しサボり気味です笑。土日にしっかりやりましょう笑。


今日はそんな充実しまくった毎日の一こまをご紹介します。早朝授業のとあるクラスでのできごと。


毎回、英語で話を始めて、生徒達と会話を楽しむのですが、急いで教室に駆け込んで来た男子生徒の髪が乱れていました。


十督:What happened with your hair?
男子:Oh, Teacher, bicycle, wind, hair.
十督:Sentence, please.
男子:Oh, wind damaged my hair.
ここで、クラスで笑いが起こる。


そこで、僕はこの男の子が言った文章を板書しました。


Wind damaged my hair.
他の生徒はからかう気持ちからなのか、ニヤニヤしています。
次の瞬間、僕の茶目っ気が出てしまい、その文章に続けて、こんな文を付け足しました。


Wind damaged my hair.
My hair, up in the air.
Oh, God, give back my hair.
My eyes fly through the air.


「○○くんの文章にこんなのを付け足したら、ポエムになったね!これ、せっかくだから、音読してみようよ!」と持ちかけ、生徒達に立ってもらい、朝からこの即興詩をみんなで音読しました。


その場で思いついたわりに、ちゃんと脚韻を踏んでいたので、hair air のところにオレンジのチョークで線を引き、


「これね、韻を踏んでるでしょ?韻を踏んでる英語ってね、読んでて気持ちがいいんだよね。歌とかにもいっぱい出て来るの。流行ってる曲って、日本語でも英語でも韻を踏んでいるものが多いんだよね。もう一回読もうか?ね?○○くんのお陰で、楽しいね^^」とにっこり微笑んで、もう一度クラスでコーラスリーディング。


さっきまでニヤニヤしていた生徒の顔が、いつのまにかニコニコした顔に変わっていました。生徒達は言葉遊びの面白さに感じ入り、言葉って面白い!と感じて、ニヤニヤが、いつしかニコニコの笑顔に変わったんだと思います。


ここまで、わずか八分くらいの出来事でしたが、とても良い心持ちがしました。言葉で遊ぶって楽しいね、言葉ってきれいだね、言葉が表現出来る可能性って無限なんだよね、ってそんな気持ちを生徒達と共有出来て、幸せな気持ちになれました。


教室に入り、生徒達と過ごすひと時を毎日与えられています。僕ら教師にとってみれば、その時間は週に何時間もある中の一こまかも知れないけれど、子供達にとってみれば、その一コマは人生の中の青春の一ページなんだな、と思うと、今日の出来事は僕にとって、仕事であって仕事でない、僕の人生にもとても意味のあるひと時になったな、と心が春で満たされました。


子供達にとって、授業が人生の想い出に残るひと時であって欲しい、と願いながら今日の出来事を振り返り、明日からの授業も生徒と一緒に、素敵な人生の一ページにしたい、と夢と希望で心が溢れました。


子供達と一緒にいるのが、本当に好きです。
この仕事を神様に与えられ、感謝しています。

Semper gaudete. Sine intermissione orate. In omnibus gratias agite: hæc est enim voluntas Dei in Christo Iesu in omnibus vobis.

Rejoice always. Pray without ceasing. Give thanks in everything. For this is the will of God in Christ Jesus for all of you.

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。」
新約聖書 テサロニケ人への手紙 第一 5章16~18節>





6 件のコメント:

  1. 卒業生です。十督先生にクラス持ってもらった事ないですが、学校に着任された年位に中3とかでした。当時は英語とかに全く興味がありませんでしたが、何故かオーストラリアに留学して、今はアメリカに住んでいます。このブログ見て、中学生、高校生とかにはどういう教え方がいいだろぉ、とか考えました。留学した当初は全く英語話せず相当困ったのを覚えてます。

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  2. >卒業生の方へ
    コメント有り難う御座います。教え方にはいろんなメソッドがあっていいのだと思いますが、一方で、楽しいだけでは力がつかないのも事実です。授業が今日のエントリーの様な一コマばかりで埋め尽くされると、生徒達の学力は伸びません。大切なのはバランスと、学習者の学習量です。僕ら教師は、彼らの学習モチベーションを高める為、様々な方策を取り、英語に夢中になる気持ちを育て、彼らを学習へと駆り立てる義務があります。難しいですね、色々。毎日反省ばかりですよ笑。

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  3. 保護者です。
    こっそり読ませて頂いてます。
    二人の子供が通っております。十督先生の学年でないのは残念ですが、神様が選んで下さりこの学校で学べていることにいつも感謝しています。
    今日は学校での楽しそうなエピソードと、私の座右の銘ともいえる聖句が載っていたので、コメントさせてもらいました。
    先生の新しいスタートも陰ながら応援しています。

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  4. すみません。
    先ほどの保護者です。
    コメントしてみようと思った肝心なことを書き忘れました。老化ですかね。(笑)
    私は英語が全然できないので、先日の記事を参考に毎日少しでも英語に触れるよう頑張っているところです。
    目標はTVなどの外国人へのインタビューのやり取りがあらかた理解できるようになること。
    なんて言ってるのかスーパーを見ないで知りたいのです。

    今回の髪が乱れた生徒さんはなんと答えればみんなに笑われなかったのでしょうか。
    damageという単語を選択したのがちょっと違っていた感じですか?
    そこが知りたかったのに自己紹介?で終わってました。

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  5. >保護者の方
    コメントありがとうございます^^ 元気が出ます。学校で声掛けて下さいね^^
    さて、英語頑張られてあるとのこと、うれしく思いました。幾つになっても学びが起動し続けるって心が豊かになりますよね。学習のプロセスを楽しんでくださいね。

    I had my hair blown off, so my hair got messy now.
    とか言うと、普通の会話っぽいのでしょうか。

    blown offだと、髪が取れてる感じなのかな笑。
    でも、これを生徒が言えてたら詩は生まれませんでした笑。

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  6. 保護者です。
    お返事ありがとうございました。

    韻を踏んでる詩、なんだか楽しくなります。子供達がニコニコになるのが分かりますね。

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