★英語が苦手な生徒、期日を守らない生徒たちに思う。
人それぞれ、ペースや配分は違うし、違っていいんだと僕は思っていて、期日や中身について、あまりうるさく言ったりすることに意味が見出せなくなりつつあります。
期日に間に合うように急き立てて、とりあえず形や体裁だけ整えたノートを読ませてもらうより、時間は人よりも掛かり、遅れてしまったけれど、自分のベストを尽くしたノートを「先生、遅れました、ごめんなさい。」って持ってきてくれた時に、その子が頑張った姿が想像され、とても温かい気持ちになるからです。
「逃げ切りはダメだよ。」と教えています。期日に間に合わない場合は、必ず提出期日の週のうちにノートを持っておいで、と伝えています。
そうすると、生徒は一生懸命に頑張って勉強をしてきます。先生、僕・私、頑張ったんだよ、とノートを仕上げて持ってきます。
生徒たちがいろんなことに気づいたり、発見したり、考えたり、実感を深めたりする場に立ち会えるばかりか、こちらが何一つうるさく言わなくても、生徒たちはきちんと自分で成長する瞬間を持とうとしていることが伝わってくるんです。
課題や家庭学習を通して教えていることはたくさんあるんだと思っていて、生徒が自分で勉強できる手伝いをすること、生徒が自分で気づく後押しをしてあげること、そして個人個人のペースやレベルに応じて待ってあげることだと僕は思っています。
みんなが同じことを同時にやることは、何か不平等とは言わないけれど、無理があることなのではないか、とこの頃思ったりして、生徒達一人一人に、気づく時間や場面が違うわけだから、それを待ってあげることはとても大事なことなんだよね、と、遅れて提出された、生徒達の頑張りがたくさん詰まったノートを見ながら思います。
★ある生徒達のノート
遅れて提出されたノートの中に、この2冊のコメント(手紙?)を見つけました。この子達はおそらく、自分で英語が苦手で、勉強をする習慣がついていないと思っていて、そのことを悔やんでいるのだと思います。
この子達のノートが出された時、僕は叱りませんでした。また、この子達のノートのコメントを読んだ時、喜びと嬉しさで胸の震えが止まりませんでした。
勉強ができない、勉強から逃げたい、英語を勉強するのが苦痛だ、と思い込んでいるのだと思います。
努力しなければいけない、気合いが足りない、自分の力不足だ、と自分を責め、苦しい思いをどこかに持っていたのではないか、と僕は感じました。
この子達がこんなコメントを書いてきてくれました。(画像参照)
僕がこの子達を責め立て、叱り飛ばし、罵りや嘲りの視線を向け、冷たくあしらい、授業中にも穿つた見方で彼らに接していたら、おそらくこの子達はこんなコメントを書いてこなかったのではないか、と思いました。
この子達がこんなコメントを書いてきてくれたことを、本当に嬉しく思いました。生徒達は勉強が分かりたい、できるようになりたい、僕も、私も、伸びたい、もっと知りたい、楽しんで勉強をしたい、そんな風に思っているんだと思います。
この子達の胸いっぱいに溢れる想いが詰まったコメントを読みながら、この子達から、教えるとは何か、待つとは何か、生徒達を育てるとは何か、教育の根本と真髄を教わった気がしました。
子供達が気づく瞬間を大事にしているか、待ってあげているか、子供達を叱るとは何か、教えるとは何か、学ぶとは何か、この子達のノートのコメント、この子達が頑張った姿、遅れて出すときの後ろめたさ、自己卑下、いろんな感情の渦巻き、そんなことが渾然一体と想像され、胸が苦しくなると同時に、教えるものとして、どこへ向かうべきかを、彼らから示唆された、そんな気持ちを抱きました。
子供達の成長や、知性への目覚め、発露を見逃さないでいたい、と思いました。
そのために、待つ、導く、支える、時間を与える、それぞれの生徒達一人一人の持つものを見逃さない、という姿勢をこれからも大切にしていこう、と思いました。
★「学びの質を高める月間」
今月の家庭学習のテーマは「学びの質を高めよう」です。家庭学習としてのノートの記録とOEDノートのが習慣化してきましたので、その中身の質を向上させていこう、と生徒達に呼びかけています。今週1発目に提出されたノートをご紹介します。素晴らしいノートです。
OEDの暗記効果についての気づき。 |
習慣化は素晴らしいですね^^ |
自分のための自省なのでしょうか。 |
英英辞典の効用について。 |
多読はいいなー^^ |
これだけ高い目的意識を持ってTRをやれてる高校生って、末恐ろしいです。本格的に同時通訳トレーニングの本を薦めてみようかな。 |
OEDの効果絶大。他教科への応用を検討し始めた生徒がいます。 |
こういう体験、本当に大事なんです。最近では、自ら街にいる外国人の人と接して、英語で何か起きないか、と期待するコメントが増えました。 |
シャドーイングを録音してミスチェックをする生徒。すごいです。 |
日本語PREPの活動リクエスト。日本語PREPの活動、またやります。 |
生徒は褒めて欲しいんですよね。嬉しかった気持ちが伝わってきますね。 |
自らのやり方を諌め、音読回数を増やしてTRに打ち込んだ生徒の記録。 |
こういう無茶振りも飛んできます笑。 |
文法説明を授業でした時の感想。 |
英作文のテクニックなんて、要らないです。OED読んで、多読して、ってやってたら、自然に身につきますものね。 |
僕は英語の波形で日本語を話したりしてませんから笑。生徒、授業でよく見てますねー笑。笑いました。こういう面白エピソードみたいなこともたくさん書いてきてくれるから、読むのが楽しみで仕方ありません。 |
これくらいの回数をこなすと、伸びが全然違ってきますねー。打ち込み方が半端ないです。素晴らしい!^^ |
赤ペンは1mmのものを替芯で使っています。すぐなくなってしまいますね笑。 |
福岡女学院中高の坂本彰男先生より伝授して頂いた"Dice Talk"の活動を楽しむ生徒。今では大切な帯活動の一つです。やれる時は毎回必ずやっています。 |
今日は西南学院中高の田中十督先生の授業見学に行って来ました。十督先生の授業についてはご自身のブログに詳しく書かれていますが、実際の授業はどんな感じなのか、自分の目で見てみたかったのです。見学前は「十督先生はなにか『特別なこと』をしているに違いない・・・」と思い込んでいましたが、「十督先生は魔法使いでもなんでもなく、『普通のこと』を地味に徹底して続けている」というのが率直な感想です。(『普通のこと』ができていない先生が多いのが現状だと思いますが・・・。)OEDを使ったペアトーク、福岡女学院の坂本彰男先生のプリントを使ったDice Talk、教科書を使った同時通訳トレーニングetc. 難しいテクニックやメソッドなど必要ありません。とにかく授業の主役は生徒であり、生徒が英語をたくさん浴びる&使う授業でした!
返信削除また、空き時間、十督先生はひたすら生徒さんのノートにコメント書きをされていました。何十冊ものノートをひとつひとつ丁寧に読み、コメントする。本当に地味な仕事ですが、このやりとりによって、人から言われなくても自発的に学ぶ生徒が育つのだと、実感しました。「このノート、すごーい!」と嬉しそうに叫ぶ(?)十督先生は、とても幸せそうでした。
今日は本当に良い一日でした。私はまず、同時通訳トレーニングを授業に取り入れます!授業が楽しみです!ちなみに、十督先生の授業を見学した影響なのか、私も無性に英語を話したくなってしまいました。学校に戻ると、授業でもないのに生徒に英語で話しかけている自分がなんだかおかしかったです。(笑)
十督先生、西南の生徒の皆さん、本当にありがとうございました!!
O先生、ご来校、本当にありがとうございました^^
返信削除生徒たち、楽しそうにしていました。