2017年3月17日金曜日
一年最後の授業にて
今日、今年度最後の授業が3コマありました。
最後の授業だったので、久しぶりに歌を2曲歌い、子供達に読み聞かせをして、進級へのメッセージを伝えて終わりました。
お時間がある方は、動画を見ていただければ、と思います。
https://www.youtube.com/watch?v=uSTbLZqGGSc
この本はハッピーエンドで終わる本ではないのですが、敢えてこの本を選んで読みました。
この本は、ある学校に転入生の女の子が来るのですが、その子に辛く当たったり、仲間外しをしたりして、何一つ優しく接してあげられなかった主人公の女の子が、後悔の念を深く胸に抱く、というお話です。
これから子供達はクラスを解散し、色々なコースに分かれてしまいます。バラバラになっていきます。
また新たな出会いと新しいクラスで、新しい人間関係が始まると思います。
そんな局面にあって、今敢えてこの本を一緒に味わいながら、これからの自分の進路について、またその先にある生活について、しばし考えてもらう時間にして欲しい、僕はそう思っていました。
今年一年、子供達と一緒に学んだことは、グループ活動を通じて、グループの人たちと協力し、協働を通じて、他者と交わることを通じて、自分を見つめ直し、人格を深めていく、と言うことでした。
色々な人格がぶつかり合う中で、決してうまくいくことばかりではありませんでした。
自分とは合わない人、接していてイライラしてしまう人がどうしても出てきてしまう。
でも、決してグループをばらしたり、特別な対策を講じたりしませんでした。
それは、「人は一人では生きられないんだ」ということを教えるために、どうしても必要なことだと僕が思ったからです。
「電車の中で小さな子供を連れたお母さんたちに対して、悲しいんだけど、冷たい言葉を投げかけるような話を、耳にするようになって、悲しい気持ちがするんだよね。」と僕はあるクラスで語りかけました。
「そんな赤ん坊やお母さんに対して、迷惑だ、という人だって、幼い頃があったはずなんだよね。また、おじいさんやおばあさんに対して冷たく接したりするのを見聞きしたりすると、とても胸が苦しくなるんだよね。自分だって、おじいさん、おばあさんにいずれなるのにね。
障害を持っている人をバカにする人がいるけれど、自分だって、事故や病気などの不可抗力で、障害を持ってしまったり、あるいは家族が将来、障害を持って生活をすることを強いられるような可能性が僕ら一人一人にはあるんだよね。
子供は過去の自分、老人は未来の自分の姿、障害や不都合を強いられている人は、将来自分がそうなる可能性を先に生きてくれている人なんだよね。
どの人を否定しても、それは自分を否定することに繋がってしまうよね。
僕はみんなに、どんな人も決して粗末にせずに、まるで自分のことのように大切に愛おしく思って接して欲しいと思って、一年間授業をしてきたよ。
英語を通じて、みんなが頑張ったことによって、みんながそんなことを考えるきっかけになってくれたら、嬉しいと思っています。
一年間ありがとう。Thank you so much. 」
と言って、授業を閉じました。
人は一人では生きられない、そんなことを、様々な教材を使い、英語を話し、読み、聞き、書くことによって、体全体で考えた一年だったと思います。
英語の力が伸びたことはとても喜ばしいことです。
ですが、もっと嬉しいこと、それは、この授業の時に、子供達が真剣な眼差しで、読み聞かせを聞きながら、最後に僕の話にしっかりと耳を傾けてくれたことでした。
これこそが、子供達の人格の成長を物語っている瞬間だ、と僕は感じました。
実りの多い一年間でした。
子供達、一年間どうもありがとう。
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