良い選手が集まり、指揮官の優れた戦術があればチームが勝つほど、ボール競技というのは甘くはない。
ボール競技の試合で勝つには、化学反応が起こらなければいけない。人はそれを、気合いや根性、と言ったり、科学的な分析や微細な相手の情報分析と呼んだり。選手のスカウトが大事だったり、とか。
あるいは、勝つための条件を羅列して、特に優れて突出している要素が際立って見えるから、それを勝つための方程式と言って人が語ることがある。
その良い話に引き摺られて、それを聞いた人がそのメソドロジーを擬えても、同じ結果が得られないという悲しい結果を喰う羽目になることも枚挙に暇がない。
勝敗は白黒がはっきりとしているが、その原因や理由については、これはもう、全てがその原因や理由になりうると言っても過言ではないくらい、複数項目に及んでしまう。
勝つための準備は、考え付く限り、全てやらなければいけないけれど、勝算が期待通りに当たるというのは、素人が行うスポーツ競技においては、なかなか言い当てるのが難しい。
例えば、長時間練習をしたとしても、勝てる保証はどこにもない。けれども一方で、ある程度の練習量をこなさなければ、体力やプレーの感覚や技術が身につかないから、一定の練習量が確保されなければ確実に負けてしまう。(この一文目の「長時間練習」を、技術力の高い選手、とか、監督のカリスマ性、とか、考え付く限り色々なキーワードに当てはめることができる。)
全てにおいて共通する条件としては、「選手はできるだけその競技が上手であることに越したことはない」ということ、「チームの内部にいる人ができるだけそのスポーツに精通しておいた方が良い」ということ、さらに、「チームが、監督、選手、関わるスタッフ全てにおいて、ファミリー化していて、意思疎通の妨げがない人間関係が保たれていることが望ましい」ということ、この3つで、その他の勝算の勘定に入れなければいけない条件は、それこそ選択肢の数だけいくらでも無数に存在しうることになるのだ。
先輩たちは自分たちよりもものすごく上手でうまかったのに勝てなかったけど、自分たちの代は、それほど際立ったエースのような選手もいないし、特にこれと言った特別感がチームにあるわけではないのに、結果がで続けている、ということは、これはもう、本当によくあることなのである。
チームが高校サッカー選手権大会の1回戦を突破し、福岡県でベスト16に勝ち進んだ。とても誇らしい気持ちがする。
勝った勝因は何か。それは勝ったから勝ったのだ、としか言えない。勝つために何をしたか、と言えば、うちのチームが勝ったという事実を裏付けそうな全ての努力や計算を、チーム全体がしていた、、、かもしれない、としか答えようがない。
今日1日を振り返って一つだけはっきりと分かっていることがある。
それは、このチームの勝利によって、僕は今とても興奮して気分が良い、ということである。
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