卒業していく高校三年生のサッカー部壮行会にお招きいただき、参加してきました。素晴らしい会でした。
スピーチを頼まれましたので、いつも卒業生に話すことを話しました。記憶している限り再録すると、こんなスピーチだったと思います。記憶が曖昧なところは脚色で誤魔化してるので、そこは行間を各自で埋めていただくとよろしいかと思われます。 「大学や予備校へ旅立つ前に、畳の部屋に両親に来てもらい、そこで正座をして、深々と頭を垂れ、今までお世話になりました、ありがとうございました、これからもう少し迷惑をかけますが、どうぞよろしくお願いします、と言いなさい。必ず言いなさい。 卒業は君らのためだけのものではなく、親も教師も成長させる大切な節目の行事なんです。君らが小さい幼子だったイメージで君らのご両親は君たちを大切に可愛い子供として育ててこられた。 君らが大人に成長するのは嬉しくもあり、その可愛い子供が、自分の前からいなくなる寂しさがある。 そして何より、自分は親ではなく、老年を迎える、という覚悟の始まりでもあるんだよね。 だからその節目に、君らがご両親に挨拶をすることはとても大事な意味を持つんです。 親として、そして一人の男として、女として、ご両親は君らの卒業に際して、成長を、老いを、寂しさを、嬉しさを、そんな想いを全て受け止めながら、君らにバトンを継ぐ、そんな大切な節目が卒業なんです。 前の世代の人からしっかりとバトンを受け継いだよ、という意味で、必ずご両親に感謝をしなさい。 卒業おめでとう。」 谷川俊太郎さんの、さようなら、という詩を添えて贈ります。 僕からも卒業おめでとう。立派になったね。本当に立派になった。成長した。嬉しいよ。 さようなら 谷川俊太郎 ぼくもういかなきゃなんない すぐいかなきゃなんない どこへいくのかわからないけど さくらなみきのしたをとおって おおどおりをしんごうでわたって いつもながめてるやまをめじるしに ひとりでいかなきゃなんない どうしてなのかしらないけど おかあさんごめんなさい おとうさんにやさしくしてあげて ぼくすききらいいわずになんでもたべる ほんもいまよりたくさんよむとおもう よるになったらほしをみる ひるはいろんなひととはなしをする そしてきっといちばんすきなものをみつける みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる だからとおくにいてもさびしくないよ ぼくもういかなきゃなんない |
2017年3月19日日曜日
ぼくもういかなきゃなんない〜高校三年生へ贈る言葉
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