2分間英語を話し続けるというのは、大人にとってみてもなかなか負荷が高いことだと思うんだけれど、一度経験してしまうと、すんなり、ま、そんなもんかと体が慣れてしまうから、人間は度し難い。
5月にマーブルズという英語劇を指導するワークショップに参加して、小口真澄先生という素晴らしい方から直接指導をしていただき、感情を劇にぶつけること、自分のパッションを解放すること、魂のヴォイスに従うことなどを学んだ。ハテ、これを授業にどう活かせばいいのだろうか、と考えていた。そうか、これだよ、と閃いたのがスピーチの授業。
生徒たちは作ってきたスピーチを発表するばかりで、棒読みになってしまうし、語りかけが不自然で、観ていると、授業のためだけにスピーチをやってて、形だけです、って感じに終始しちゃってる。こういうのじゃなくて、もっとこう、子供達が心から、自分の言葉で、自分の英語で友達に語りかけていく現場、作れないかなー、と思っていたら、真澄先生の声が耳元に蘇ってきた。
こんなことをやってみました。
【スピーチに入る前の練習の段階で】
1ペアになった人と、両手で握手。
2ペアになった人(同性同士)ギューっとハグする。
この二つを入れて、いつもの3ステップでスピーチ練習から、その後の本番の流れ。
生徒の声が倍以上にでかくなった。生徒の表情が豊かになった。生徒のスピーチはもはや「朗読」ではなくて、語りかけに変わった。伝えたい気持ち、聞いている人たちへの愛。情熱と愛のスピーチへと変わっていく瞬間。
そうだ、これだよ、待ってたのは!と胸が熱くなる。
僕の視点は英語教育論という枠を超えて、生徒の魂の解放に立ち会う喜びで満たされていく。子供達はもはや、教科、とか勉強とか、授業、とかいう枠すらも意識していない。伝えたい、自分はこんなこと考えたんだけど、どうかな、と一生懸命に聴衆にぶつけていく。たまたま使用言語が英語だった、というだけの話。
かつて、授業はドラマだ、と言った人がいた。僕が若い頃に読んだ英語教育の本に書いてあった。ドラマの主役は誰か、という話。生徒たちは発表の時、誰よりも輝いている。素晴らしい現場だった。
こういう授業をずっとやりたい、やりたい、と願っていた。
生徒たちがグループで教科書を読む、グループで題材を元にプレゼンをする、グループで発表する、グループで記事を読む、ディスカッションをする、スピーチを作る、パッションを持って自分の発表をする、そして、友達と質疑を楽しむ、という流れ。
これが今やってる授業。
こういう授業をしていると、例えば科学者がTEDでスピーチをするような素材を授業で扱っても、30分近くあるスピーチを誰も眠ったりせずに、熱心にメモを取って聞く。そしてその内容について、友達と熱く議論をする。議論は「スピーチの中身はこうだった」というチャチな確認作業ではなく、スピーチを聞いて、揺さぶられたこと、現実に即して考えた時に実用性はあるんだろうか、ということ、自分ならどうするか、という視点を持って聞くこと、などを指示として出しているので、ワイワイガヤガヤとディスカッションが盛り上がってしまう。とても50分では足りないなといつも思いながら、教室を後にする。
CLILも板についているので、授業のタスクを作るのにも慣れてきた。生徒も、自分の意見を英語で発信したり、さらにそれを高度なものに高めるためのフレーム、すなわち文法や語彙のネタをきちんと学習することの大切さも同時に学んでいる。模試の成績やGTECの結果も向上している。言うことはない。
生徒が魂解放の末に、次はどこに向かっていくのか。もっと心を開いて、もっと自由に、もっと想像力の交流をし合いながら、英語で話し、英語で聞き、英語で書き、質の高い英文を読み、脳みそフル回転で心情、感情、知性、論理、倫理、道徳、などの項目全てに刺激ックスな現場を続けていきたい。
追伸:マインドマップの書き方を生徒に教えて、その後、世界にある素敵なマインドマップをカラーコピーして、黒板に貼って、ギャラリーウォークするとマインドマップをどんどん描けるようになります。100均でカラーペンセットが売ってるので、それを複数個買って教室に持ち込めば、どんどん色も使えるようになります。10セットで1000円くらい。ペンを片付けるケース入れたら1100円。もう少しペンを増やしてもいいかなーと思っています。25セットくらいあれば、ペアで1セットできるから、もっと絵が豊かになる気がしています。右脳を鍛えるって、学力向上の観点からとても大事なんですよ。お絵描きなんて思ってると、全然違うんですね、この活動は。
2017年9月30日土曜日
登録:
投稿 (Atom)
もっとも大いなるもの
単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...
-
授業で同時通訳トレーニングを使って、教科書の英文を音読、暗唱まで持って行きます。 英語を英語のまま理解すること、日本語と英語の理解を一体化させ、英語を英語のまま理解する回路を脳に作り込むことが目的です。授業では 10 ~ 15 分くらい使ってこの活動をやりますが、この活...
-
自分で勉強会を主催する様になり、スタートを切ってから色んな事を考える。何の為にこんなことをやってるんだろうか、と呆れてしまう事もある。自分のことも間々ならないのに、いろんな人を巻き込んで、何をしてるんだ、と思うのも事実。 自分は本を書いているわけでもないし、セミナーの講師をした...
-
同時通訳者の方がご自身のトレーニングを紹介してある本に出会ったのは29歳の時、今42歳ですから、13年前になりましょうか。 それ以来、このトレーニングを毎日欠かさずやってきました。同時通訳トレーニングを始めて、自分の英語力向上を体で実感したのは2年後、それ以来、このトレーニン...