2016年5月17日火曜日

生徒たちの記録:試験前の音読TRノート

生徒の頑張りや気づきがたくさん詰まったノート。毎週とても幸せな気持ちでノートを見ています。
生徒たちのノートチェックから週の初め、月曜日が始まります。至福の時とも言えますね。彼らが1週間、どんな風に家庭学習に取り組んでいたかを見ていくとき、自分の授業が彼らにとってどんなものであったか、評価を受けることになるからです。

勉強が足りない生徒への声かけは十分だっただろうか、今サポートが必要な生徒を見逃してはいないだろうか、一人一人の生徒たちは、学習をしながらどんなことに気づいているだろうか、授業でどんなことを習得できているだろうか、そんなポイントが彼らのコメント欄に書き込まれるからです。

生徒たちのノートを見ることにより、授業で彼らに今何が必要なのか、どんなことをしてあげなければいけないか、また強化するポイントが何か、次の活動のアイディアは何なのか、そんなことが見えてきます。一人一人の学習のリズムを把握するためにも、この作業はとても大切な仕事です。気を抜くことができません。

生徒がしっかりと頑張れるかどうかは、こちらの働きかけ次第です。生徒が熱心に取り組まないのは、こちらに責任があります。

ですから、一人一人に丁寧に向き合っていきます。時間は個人差があり、一人一人抱えている課題もそれぞれ違います。

その小さな点を見逃さないこと、その一つ一つの声にきちんと、向き合うことがとても大切だと思っています。

手作業でコメントを書くのはパソコンで打ち込むのとは違い、とても時間や手間がかかります。

でも、全く勉強をしなかった子供達が英語のトレーニングや英英辞典に向き合い、自分の中に気づきを得ていく姿を見、また、授業での活動が変わっていく姿を見るのは最高の喜びです。

ああ、英語を楽しんでくれているな、ということが伝わってくるからです。

今週も彼らのノートのご紹介です。今日は2クラス分、テスト前ですので、OEDノートは任意提出にしています。音読TRノートは通常提出です。今日は2クラス、明日、また2クラスの提出があります。
和訳を読んでから英文の音読に入ることで理解が深まることを実感している生徒の声です。これに似た意見は多数聞かれました。


自分の変化を喜びながら前へ進むって、素晴らしいことですね。
この子の今週のコメントは、ネイティブとのやり取りを通して感じたことのエッセイになっていました。素晴らしい内容でした。実体験を通して、単語を学ぶ事、発音の大切さ、英語を覚えていく事の重要さを痛感した、という事でした。これはとても良い内容でしたので、子供達に増刷して配布する予定です。


この子は毎週びっしり書いてきます。読むのが楽しみなノートの一つです。


はみ出す分析!すごすぎる!
授業でやったTR法に独自のアレンジを加えてさらに改良しているんですよね。生徒の自学力ってすごいです。自ら学ぶ、ってこういうことなんだと思います。innovativeですよね。


多読の時間にきちんと発見したことがこの子は知りたかったんだと思います。進んでこういうことをやるのがいいと思いますね。
この分析も細かい。音に対して丁寧に分析しています。この子のノートもいつもびっしりなんです。


この子の漫画は動きがあって説明が一発でわかります。
英英辞典の語義は、動詞の説明の時、とても具体的でわかりやすいようです。
自分の気づきに感動しているのが伝わってきます。



授業でやっているメソッドをキクタンにも応用させる恐るべき高校1年生。

高校1年生の男の子が、英語のロジックやlayerを意識して音読やシャドーイングのトレーニングをやっているなんて、Wouldn't it be nice?



2016年5月16日月曜日

意見に層を作るlayerの概念



授業で子供達に文法を教えます。これは必要なことです。
ですが、これまでの学校英文法では補完しきれないことがあります。

英語の「お話の流れ」、「人に話をする時に心がけること」があります。これは高校生が勉強するどの文法書にも載っていません。

英語のものの考え方を、英語のロジックと呼んでいます。英語のロジックで話したり書いたりしないと、いくら英文法ができて、単語をたくさん知っていたとしても、一人の人の意見として、理解してもらえません。

例えば外国人の人が拙い日本語を使って一生懸命に何かを伝えようとする時、私たちはその人が我々に何を伝えようとするかを一生懸命に理解しようとします。

ですが、そういう場合、彼が何を言おうとしているか、ということよりも、彼が日本語がいかに上手いかということに気をとられて、肝心の中身の話になかなかならないのです。

これと同じ現象が、私たちが英語を使ってネイティブと話す時に起こっています。ですから、「あなた、英語が上手ですね。」とネイティブに言われているうちは、ネイティブからまともに意見を聞いてもらえていない(子供扱いされている)ことになる、と僕は考えています。

英語で相手にきちんと自分の意見を伝えるためには、英語でやり取りをしている人たちの文化的発想法を学ばなければいけません。どんな風に彼らはコミュニケーションをとるのが基本なのか、それが理解できないと、彼らが意見を交換している時に、意見として聞いてもらえないのです。

英語で話をする時、ネイティブはPREPの発想で無意識に会話を編んでいます。

PREPとは?
Point-Reason-Example(Evidence)-Pointの考え方です。
まず自分の主張を述べます( Point)。次に、なぜそのような考えに至ったのか、理由を述べます(Reason)。ここまでが英語の基本最小単位です。この単位を理解していないと、英語を話したことにはなりません。例えば、I like sushi.と言うと、聞いた人は、OK,じゃあ何故寿司が好きなの?という理由を待っています。その理由をきちんと説明しなければ、I like sushi.という文章は意味を持たないことになります。

次に、何故sushiがそんなに好きなのか、理由を裏付ける具体的な例、詳細な証拠を例示しないといけません。
その例示がないと、自分の意見が手前勝手なワガママな意見にとられてしまうからです。具体例を挙げる、たとえば、寿司を食べた経験、どうしておいしいと思ったのか、おすすめのお店はあるのか、どんな風に食べるのか、などの説明が必要になります。

★具体例に説得力を増すlayerの考え方
layerとは文字通り、層、の事です。話をするとき、具体例を挙げて相手にわかりやすい話をしていく際、事実や起こったことを羅列するだけでは効果がないので、具体例に変化をつけるのです。「過去は~だった。こんなことが起こり、~になった。今後は~になる。」などのように、Aの状況が変化してA’になり、更にA’’に変化していく、という変化の層をお話の中に盛り込むことにより、説得力が増すのです。

layerを作りやすくするためには、比較級を使ったり、受け身を使ったり、数値データを用いたり、時間の表現(年号や年月日)を使ったりして、変化をつけていくことが大切です。文と文の間に変化ができること、出来事と出来事の間に変化が感じられるように表現していくことを目的に、layerを作っていきます。

Layerを作る練習は、small talkで行います。また、文章の中でどこがlayerを形成しているのかを見ていくのも、楽しい学びの時間です。

長文読解、とか、文法学習とか一つ取っても、単に穴埋め問題を解いたり、並べ替え英作文を正答したりすれば文法が分かったことになるか、と言えば、全くそんなことはありません。
機械的なドリルを演習すること自体を否定したりはしませんが、繰り返しドリルをして全問正答出来るようになっても、英文の中に底流しているロジックを見抜くことは絶対に出来ないのです。

英文法を教えるとき、この考え方をまず最初に教えて、英語はこんなルールで文章が成り立ってるんだよ、っていう話を子供達にしてあげた方が親切なのではないか、と思います。

たとえば、英文法の第一時間目に、子供達はS/V/O/Cの文の種類を、習いますが、それらの文の種類が、段落や一つの文章に編まれて行くとき、どのように展開していくか、という流れは学びません。文法書にそんなことは載っていないからです。

S+Vという最小単位がまずあり、文の種類がSV,SVCA=Bの文),SVO3種類で出来ていて、その後ろにどんどん付け足しの情報が来る流れで文章が編まれて行く。

付け足しの情報は、「名詞+α」のユニットで、+αの部分は、分詞、不定詞、関係詞、同格、前置詞+名詞、の形が来る、と教えます。後ろからかかる、と理解するのではなく、名詞はどんな物なのか、後から後から付け足し情報を加えて、より詳しくそのものを説明する、と生徒には教えています。

★文法書に欲しい要素
文法書は、細かい文法事項の記述はびっしりとあります。しかし一方で、英文全体がどんな風に構成されているのか、その文法事項がどんな風に有機的にそれぞれと結びつき合っているのかについて、記述が一切ないものばかりな気がしています。

英語はどんな風に構成されているのか、どんな風な流れて文章は作られているのか、どのような考え方に基づいて成り立っているのかを最初に教えて、その後に細かい文法について生徒に教えても良いと思うんです。

速読の仕方とか、ディスコースマーカーについての記述は、高2や高3の問題集や参考書の巻末に申し訳程度に掲載してあることが常で、これは英語を理解する生徒達にとって、勿体ないのでは、と僕はずっと思っています。

些細な文法事項を見ていく前に、全体はどんな風になっているのか、「森全体」を見せて、その後、細かく見ていく、という俯瞰的な視点で文法指導をした方が、生徒の理解にとっても宜しいのでは、と僕は思っています。

教科書のトレーニングをさせるときには、「森全体」を見る指導を丁寧にします。どうしてこの文章はこういう流れになっているのか、段落ごとには流れはどうなっているか、この文は全体の中でどういう位置づけになっているか、この英文全体で大事なキーとなるセンテンスは何か、などの事項ですね。

細かく読めるように指導をする前にこういうことを教えておくと、その都度自分が今どんなことをやっているのか、確認が出来るようになり、迷子にならずにすみます。細かいことばかりに目を向けていると、一体何の為にこれを学んでいるのか、ということが見えにくく、分かりづらいことがしばしばです。文法学習の悩ましいところはこういうところにあるのではないか、と僕は思っています。

今教えている生徒達には、森を見る訓練を丁寧にしていきたいと思っています。これは今までの生徒達にも教えてきたことですが、そちらの方が、英語全体を見る癖がつきますし、俯瞰して英文を見る癖がつくような気がしています。

一語一句を逐語訳的に見ていくのは、とても時間が掛かりますし、結局何が大事なのかが、わかりにくく、子供達も骨が折れて、気持ちが辟易してしまう気がします。僕も高校生の時、そうでした。

英文全体を見ていく癖をつけていく、何が大事なのかをサッと読み取る習慣をつけるために、毎時の授業で地道に指導していくしかないな、と思っています。

ではまた^^

★追記1
そうそう。本稿とは無関係ですが、「多読」について良いブログの記事がありましたので、転載しておきます。先生も読書をきちんとしないといけない、というお話です。また、生半可な気持ちで多読指導はできない、という諫言ですね。多読を受験指導と思っている向きにもNOが書かれてあります。良い記事でした。


★追記2★




このブログを、今教えている生徒達も読んでくれているみたいなので、僕のOEDノートを画像で載せておきます。良ければ真似してね^^

2016年5月9日月曜日

音読トレーニングノートとOEDノート:英語にのめり込んでいく生徒達^^

生徒と一緒に英語の授業を始めて1ヶ月が経ち、今年始めた「Oxford Essential Dictionary書き取りノート:(通称)OEDノート」と「音読トレーニングノート:(通称)音読TRノート」の生徒達の取り組みがかなり定着してきました。

これらのノートは常に授業とリンクしていて、授業でやったことをいかに家庭学習に落とし込んでいくか、その落とし込みを確実にしていく大切な学習ツールとなります。


生徒達は時が経つにつれて、どんどん英語にのめり込んでいっています。その様子が、ノートのコメントや取り組みを見ていると手に取るようにわかるのです。

まだたった1ヶ月しか経ってない、しかも彼らは3月までは中学三年生でした。今、彼は、英語の勉強に夢中になってくれています。

授業でのトレーニング、帯活動のトーク、友達との授業でのやり取り、音読、OEDを使った活動、多読、これらのどれらも彼らに波長が合っていたんだと感じ、ひとまず安心しています。

ノートを丁寧に見ながら、彼らにコメントを返したり、良い例は、教科だよりに画像で掲載して、範を示します。友達の良いところをすぐに真似できる態勢を取り、こちらがうるさく指導をしなくても、友達の真似をしながら良いスキルをどんどん身につけていってもらうシェアの意味合いがあるのです。

今日は僕の文章はこれくらいにします。生徒のノートを見て欲しいと思います。高校1年生が始まって1カ月足らずの生徒が、英語の発音、英英辞典の語義、音読トレーニングを通した細かい気づき、発見を奥深くまで自己分析し、自らの力で発見しているのです。

目に見えない彼らの力がメキメキとついていくのが感じられ、嬉しく思います。授業中の取り組みも真剣そのもの。楽しいひと時と共に、確実に英語を英語のまま理解する回路を構築しつつある彼らのこれからが本当に楽しみです。では、彼らのノートをぜひご覧ください。素晴らしいです。これ以上の形容詞が見つからないほどです。
GTECのスコアアップに悩む生徒に一言!

白熊ってWhite Bearじゃないんだ!!!

音読の効果を実感する生徒の声

回数をこなすことの大切さに気づく生徒。そういうことなのde R〜。

やれない日もあるさ^^

毎日のTRでリズムをつかんだ生徒の声

映画を見てTRの効果を実感!

マジックだね!🌟

彼の細かい気づきがいいんです。

TRの効果を体感!素晴らしい!

高校一年生の男の子のものとは思えない細かい英語TRの自己分析。ため息が出ます。

授業とリンクした家庭学習の好例です。


授業でやったことと家庭でやることは繋がっています。

OEDノートに好きな歌手の歌詞を書いてきた生徒。素晴らしい、の一言。前のめりになっていく生徒の姿を見ると心が震えます。これだよ!これなんだよ!と大きくうなづきました。すごく嬉しかった。

語義と発音に細かくこだわった自己分析。

日記なのかと疑ってしまうほど、びっしりコメントを書き、自己分析を繰り返す生徒。こんな分析をする子が、伸びないわけがない。

これも男子のノート。高一のノートです、これ。大学生じゃないです。社会人でもない。英語のTRをここまで細かく分析できたら、大成功だと思います。

毎週丁寧かつ深く自己分析してくる女子のTRノート。

英語を英語のまま理解する自分を実感している生徒。

英語学習に前のめりにのめり込んでいく生徒。

英語に抵抗がなくなってきた、って自分で言える生徒。サラッと書いてるけど、実はすごいことなんですよね、これ。

英語を英語のまま理解する効果を実感している生徒のコメント。

毎週工夫満載なOEDノートをやってくる素晴らしい生徒のノート。

この子にハンコ1つでノートを返すのは失礼な気がして、手紙を添えました(ブログの後半に手紙を転載しています。)

ドーナツって、こういう意味だったんだ!

同通TRの効果を実感する生徒。

こんなに細かく自己分析ができるって、すごいことなんです。

食文化の違いをOEDを引いていく中で実感する生徒。


さて、丁寧に音読トレーニングノートとOEDノートをやり込んでいる生徒が、コメントを書いて下さい!励みになります、と職員室に来ましたので、この子のノートは丁寧にやり込まれてあるし、これはお手紙でも書かねば、と思い、こんな感じにお手紙を書いて、ノートに貼り付けました。
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2016/05/0918:18
 あなたのノートを見ていると、自分の過去のトレーニングノートの事を思い出します。英語に没頭し、寝ても覚めてもトレーニングに明け暮れていた29歳から36歳までの7年間、ノートに必死に英文を書き、音読し、ひたすらトレーニング教材を音読、筆写、シャドーイング、反省コメント書きしていた時代を懐かしく思います。

 又、OEDノートは、僕が実際に日々やっているトレーニングをみんなにもお勧めしているだけなんです。別に他の方法でも良いと思いますが、僕はこのやり方が楽しくて、英語を英語のまま勉強できるから、良いかなーなんて思って取り組んでるので、みんなもどうですかー、という気持ちでおすすめしています。

 人からやらされる事ほど苦痛を伴うことはありません。勉強は本来楽しいものだと僕は信じています。

 だから、自主的にどんどんノートに向かうこと、トレーニングに向かうことは、自分に向き合っている時間をきちんととっている事を意味します。

 自分の弱さや長所を、細かく詳しく知っている人は、本当に強い。世の中にはいろいろな方がいらっしゃいますが、僕が尊敬していたり、すごいな、と感嘆を覚える方で、自分への取り組みを雑に済ませている人は一人もいません。

 自分に向き合うこと、細かく分析すること、自分を見つめていくことこそが、力をつけていく真髄なのです。そのことが分からずに、楽な方法論やテクニックにばかりかまけて、ちっとも力がつかない人が大半な世の中です。

 良い物を作るのには手間や労力が掛かります。おいしいお菓子や、すてきな物を作る職人さんを思い浮かべて見て下さい。

 その手間を惜しまず、丁寧に取り組む姿勢こそが、一番の近道であり、王道なのです。

 自分自身の体を使わないと、そのことは絶対に分かりません。僕がみんなにこんな風な面倒で手間がかかる取り組みをさせている意味はここにあります。

 引き続き、良い取り組みを続けて下さい。あなたの取り組みが眩しく感じます。あなたのような素敵な生徒に出会うことができ、僕は本当に幸せだと思います。

 田中 十督

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生徒たちとのこういうやりとりは楽しみの一つでもありますが、今この活動を徹底して頑張るように励まし続ければ、こちらが叱ったり怒鳴ったり、強制的に首根っこを掴んで勉強させなくても、生徒たちはどんどん主体的に英語にのめり込んでいく状態ができます。そして、それが学年の空気になり、勉強をするのが楽しい、という雰囲気ができていきます。

ノートを丁寧に見ていくことは時間がとてもかかり、骨が折れます。仕事も増えます。生徒たちの頑張りを教科だよりにするのも手間がかかります。

でも、手間がかかるからこそ、生徒たちの頑張りは熟成していき、良い学びの好循環サイクルが生まれ続けるのです。

それが過去の実践でわかっているからこそ、手が抜けないですね。

ではまた^^

2016年5月7日土曜日

同時通訳トレーニングを教室に:シャドーイングまでの道のり(家庭学習の定着を目指して)

授業で同時通訳トレーニングを使って、教科書の英文を音読、暗唱まで持って行きます。

英語を英語のまま理解すること、日本語と英語の理解を一体化させ、英語を英語のまま理解する回路を脳に作り込むことが目的です。授業では1015分くらい使ってこの活動をやりますが、この活動をやるときに一番大切なのは、「音の仕込み」と「意味の仕込み」をきちんとすること、そして、すり込む作業を根気よく行うことです。

「音の仕込み」は、英語の発音、抑揚、リズムのことです。英語特有の音の出し方、母音、子音の音の出し方をその都度練習します。また、段階を経て、子音の弾き方、消える子音、弱強のリズム、”take off-on the top-soft landing”の流れでイントネーションを身につける、などのトレーニングをします。この仕込みをやらないと、英語の音について行くのが困難です。ですから、音の仕込みはきちんとやります。

次に「意味の仕込み」についてです。予め立体構造トランスクリプトにて学習した英語の構文や英文法について、きちんと理解をしていることが前提になります。

「和訳のPREP読み」とは、和訳のコンテンツについて、自分で日本語で説明できるようにするトレーニング法です。前は和訳を音読させるだけで終わっていましたが、日本語でロジカルに情報を受け取る練習をすること、ロジカルに意見をまとめる練習をすることも、ここですることができるな、と気づき、今年から取り入れています。

トレーニングが始まったら、和訳と英文の間を何度も何度も行き来して、理解を明るくしていきます。一回でおしまい、ということはなく、何度も何度も和訳や英文に戻って、体に徹底的に意味をすり込んでいきます。

本当は内容の深い良質な英文でこれをやるのが理想ですが、それはそれ。

ここまでの段階に持って行って、自主トレを入れます。CDの音なしに、自分で英文を読み込み、自分が弱い部分を補強して、音をよりスムーズに出せるように練習します。

更に、その後、もう一度和訳を読み、英文と日本語の刷り込み作業を再び繰り返します。ここまでを丁寧にやってから、何も見ないで、目を開けて、CDの音だけでシャドーイングをします。

そうすると、シャドーイングをするごとに、英文がスラスラと言え、頭に意味が浮かび、更にもっと練習を重ねると、日本語の意味が出てこなくなり、英語を英語のまま理解できる状態に脳内が変化していきます。

大切なのは、根気よく、しつこく同じ内容を繰り返すことと、仕込みで甘かった部分に個人的に何度でも戻って自主トレをし、再度チャレンジしまくる、ということです。

授業では、子供達が自宅に帰ってからこのトレーニングを自動的に自分で出来るようになるまで、スキルをすり込みます。子供達は家に帰ると、音声CDと音読トレーニングノートを使って、自分のトレーニングをやり込み、弱点を分析しながら、次のレッスンに臨む、という形態を取って学習を進めていく流れになります。

とにかく、指導者は結果を焦らず、分量を多くせず、狭い範囲で細かい部分を徹底的にトレーニングし、中身を吟味しながら、子供達の様子を見て、反復を繰り返すことが大切です。

授業でシャドーイングや音読を取り入れられている先生方のお話を伺うことがあります。上手くいかない、というご相談を受ける場合、たいていは、仕込みの作業をせずにシャドーイングから始めたり、発音の指導をしていなかったり、和訳を十分に読み込ませてなかったり、英文のかたまりごとの理解を子供達に教えていなかったり、一度にトレーニングさせる英文の分量が多すぎることなどが、失敗の原因のように感じます。

生徒達に英語を体得させるには、仕込みの作業を絶対にサボらずにやることがポイントです。また、英文解釈的な説明が長すぎると、授業でトレーニングをする時間が取れなくなります。

授業で生徒にさせていないことは、家庭学習で絶対に定着させることはできません。ですから、CDを使っての指導をする際には、仕込みや音の指導がとても重要な意味を持つことになります。

指導者は生徒に家に着いていくことはできません。ですから、授業の中で、子供達が家に帰っても一人で勉強できるように、仕込みをして、十分に自分でトレーニングができるようなスキルを身につけないと、家に帰ってもトレーニングをしなくなります。

家庭学習を充実した物にするためにも、授業で確かなスキルをつけさせることはとても大切です。ですから、トレーニング活動はさぼれないし、気が抜けないのです。

この活動が延々と12月まで本編の活動として続きます。1年間掛けて、英語を英語のまま理解できる回路を頭に作っていく作業を繰り返して、子供達に力をつけてもらいたいと願っています。

*同時通訳TRの基本テクニック*→予めプリントにて文法事項や意味を確認済み、で、以下の流れ。

《第一段階:意味の仕込み→コンテンツに肉薄、まで》
1.英文の和訳を読んで全体を把握(PREP読みする)
 「要点はコレ→理由はコレ→具体的には、コレとコレ」で読む。
2.日本語PREPで内容を口頭説明(相手に伝える、を意識)
3.和訳をもう一度PREP読み

《第二段階:音の仕込み→発音の細かい所や弱強リズム意識》
4CDと共に構造表を見ながら音読
5.構造表を見ながら自主トレ音読
6CDと共に構造表を見ながら音読×2

《第三段階:音と意味の一体化→体にすり込むイメージ》
7.和訳をもう一度さらっと黙読
8CDと共に何も見ないでシャドーイング

《第四段階:一体化の実感化》
9.シャドーイング2回目
10.和訳を再びさらっと黙読

《第五段階:再補強》
11.自主トレで弱い部分を補強音読

《第六段階:英語が英語のまま出るイメージ》
12CDと共にシャドーイング


英語で話す:段階を経て徐々に少しずつ

毎回の授業の帯活動では、Oxford Essential Dictionaryを使ったスモールトーク(Q&Aを英語でし合う活動)をしたり、キクタンリーディングを使った早読み競争をしたり、扉の絵を使ったスモールトークなどをさせています。

毎回決まった活動をやることにより、生徒たちに積み重ねで力をつけて行ってもらうのが目的です。

帯活動は、どんなことでもできますが、毎回決まっていること、生徒たちにとってルールややり方が簡単で、かつ時間をそんなに取らなくてもできること、繰り返しができること、バリエーションがあることなどが条件で、生徒たちの様子を見ながら変えています。
Can-Doリストの初稿。まだまだ荒削りですがおおよその目安を作り、同僚と話をし、4月から1ヶ月かけてみてきた子供達の発達段階を加味して、練り直します。

生徒たちに英語で聞く、話す、読む、書く、の順序で英語を体得してもらうことを授業のゴールに据えていますが、到達にはフェイズがあり、今は第一段階「身の回りのことを英語で言う」「ものの名前を英語で言う」など、初歩的なことをどんどん英語で言う段階です。

まずは物の名前を英語で言うことから、好き嫌いなどを経て、調理法などの段階に進みます。簡単なことですが、丁寧にやらないとできるようにならないんです。
その次の段階には、数字を英語で言う、日時を受け答えする、時刻を言う、活動の時刻を言う、カレンダートークをする、などが来ます。

さらには、絵や写真を見て説明をする、まずは見えるものを言い、その後、より細かく詳細まで描写し、さらに感情、理由、原因、などを英語で言う段階に入ります。

その後、漫画を使って、英語で漫画をその場でどんどん説明していく活動をし、さらに絵を見ながらstoryを自分で作っていく練習をします。

その後、簡単なbook reviewや映画の紹介などを英語でできるようにしていき、その後、自分の意見をPREPで述べる練習をします。

まずはPREPの最後のPを省いて、「私はこう思う、理由はこうだ、具体的にはこれとこれ」という3点を英語で簡潔に言える練習を繰り返し、その後、結論のPでは、言い換え表現を用いて繰り返しを避ける練習をさせようと思っています。

描写力をここまで高めていき、その後、自分の意見を言う段階に入ることが高校1年生のゴールだと僕は考えていて、生徒と一緒に授業に取り組んでいます。

グループのディスカッションに入ったり、オーディエンスの前でプレゼンをする段階に入るのはかなり先の話になりますが、この段階を少しずつ経ることにより、生徒たちに徐々にアウトプット力を高めていかせるのが目的です。

帯活動だけではまかないきれないことも含まれていますので、これを教科書を絡めたり、他の教材を用いたりしてやっていきます。子供達は当然試験もありますから、試験のことも当然考えて授業をしなければいけません。

子供達は英語表現という授業の中で英文法をしっかりと学んでいます。コミュニケーション1の授業の中では、文法事項をその都度しっかりと確認し、練習しながら実際の活動と繰り返しリンクして、「頭でわかる」から「体で使える」段階にまで英語を刷り込んでいくことを目的にしています。

子供達が実際に使っているForestという参考書と問題集があるのですが、その目次を見て、年間の「話す」活動と文法事項をどのようにリンクさせていくか、また、英文法の授業だけでは身につかない「英語のロジック」と英文法をどのようにリンクさせていくか、実際のコンテクストを想定して、活動を創っていきます。手間が掛かり、骨が折れますが、これをやらないと、せっかく英文法をしっかり勉強しているのに、それがコミュニケーションの授業や活動とリンクしません。
授業雑記帳に参考書の目次を見ながら活動と英文法をリンクさせるメモ書き。
構文や文法事項はコンテクストの中でどのように使うか、ということがとても大事です。受け身や比較はlayerの視点を伴わないと会話や書き言葉で上手に使えるようにはなりません。

一口に「英語を話す」「聞く」と言っても、段階や様々な仕掛けが必要で、一朝一夕に「はい、これ!」という方法はなく、上記したようなことを丁寧に根気よく活動の中で定着させていかなければいけません。

来週からは"Flip-Talk"の活動を入れていきます。絵を見てQ&Aのセッションをする帯活動です。やり方は簡単で、カラーの絵とパウチの機械、トークの雛形(英語のQ&Aのパターンを印刷したプリント)があれば簡単に活動を行うことができます。20枚準備すれば、40人のクラスでもペア活動で20回活動を行うことが可能です。

活動の多い授業をしていると、行き当たりばったりでやっているのではないか、と思われたりすることもあるのですが、行き当たりばったりで活動をしていたら、子供達はすぐに飽きてしまい、真面目に取り組まなくなってしまいます。

細々とした仕掛けや準備、普段の英文法や英単語の学習とのリンクを深く何度も修正して加味し、少しずつ前に進む、という方法が遠回りでいて、実は一番確実にアウトプット力をつけていくコツなのです。

授業者として、これが実感を伴って理解できるようになるまで、20年掛かりました。all in Englishで授業を始めて4年目になりますが、去年まで考えていたことともまた全く違う次元に来た気がしています。

試行錯誤の連続ですね。でもやるしかないですね、子供達の為ですからね。

あ、今日は同時通訳トレーニングのシャドーイングについて書こうと思っていたんですけれど、帯活動について熱く書いてしまいました。シャドーイングのコツや日本語PREPの練習法などについてはまた体力のあるときに書きます。

書きたいことが山ほどあるけれど、体は一つしかないですね。分身の術があれば良いですが、あれは体が薄まっていけませんね。アニメで子供の頃、忍者が分身の術を使うシーンを見てると、薄く描かれていることがあったのを記憶していますが、あれは生身の人間は割り切れないのだ、ということを暗に示唆した優れた画法だったのでは、と仕事の忙しさの合間に唸ったりしています。

俺、何言ってんだろう笑。

ではまた^^;


★帯活動とは:毎回やるルーティーン活動のこと。広島県の胡子先生がこんな風に呼んでらっしゃることを知り、また、和田玲先生の勉強会「例の会」に参加した時にも、この名前が使われていたので、僕も「帯活動」という言葉を使うようにしています。

2016年4月30日土曜日

同時通訳トレーニングを教室へ:立体構造トランスクリプトの作り方

同時通訳者の方がご自身のトレーニングを紹介してある本に出会ったのは29歳の時、今42歳ですから、13年前になりましょうか。

それ以来、このトレーニングを毎日欠かさずやってきました。同時通訳トレーニングを始めて、自分の英語力向上を体で実感したのは2年後、それ以来、このトレーニングを授業でやれないか、と思い立ち、実際に同時通訳の先生がなさってある勉強会に足繁く通い、そこで頂いた教材をしゃぶり尽くすようにトレーニングし、自分の授業の中でトレーニングを中高生にも使いやすいように改良を加えて、今日に至っています。

その効果は絶大なものです。とても言葉で言い表すことはできませんが、聞く、話す、読む、書くの4技能全てが恐ろしいほどレベルアップします。

そのトレーニングに用いる教材の一つに「立体構造トランククリプト」というものがあります。(詳細は後述します)

その実感を持って、僕は授業で、教科書の英文をバラして、「立体構造トランスクリプト」という形に落として、生徒に配布します。

生徒たちに、英文を視覚的に捉えてもらうこと、英文を立体的に見てもらうことにより、1文ごと、段落ごと、文章ごとに、英語の構造はどうなっているのか、を常に意識してもらい、音読やシャドーイングなど、音声面でのトレーニングをする際に、より体に英文を刷り込みやすくすること、さらには、英語を視覚的に理解していくことを目的にしているからです。

このプリントのことを、「構造表」と僕は読んでいて、生徒たちには、授業中に「構造表を出してください。」と指示を出して、このプリントを使って、説明、音読、シャドーイングなどのトレーニングを行っています。

このプリントを使い始めたのは、「KHシステム」という同時通訳トレーニングに出会ってから。同時通訳者の国井信一先生と橋本敬子先生が開発された、画期的な英文理解ツールで、僕の授業では今は欠かせないアイテムとなっています。

作り始めは試行錯誤の連続でしたが、慣れると1レッスン分はあっという間に作成が可能です。

今年教えている生徒たちが、音読トレーニングノート(毎週音読のトレーニングをノートに記録付けする課題を課していて、毎日取り組むことを生徒に促しています)に、「立体構造トランスクリプト」を使ったトレーニングについてこんなコメントをつけてくれました。


↓こちらに、「立体構造トランククリプト」の作り方のプリントを作ってみました。ご参考になれば幸いです。
https://www.dropbox.com/s/dbh3bx9iu4542n2/%E7%AB%8B%E4%BD%93%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%97%E3%83%88%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9.pdf?dl=0


2016年4月29日金曜日

もっとも大いなるもの

単語の綴りを一生懸命練習するけれど、何度も、何度も間違える子がいる。 でも、授業中、何度もうなづきながら説明を聞き、話に耳を傾け、大きな声で歌を歌う。フォニックスの発音を、口を縦横いっぱいに開けて発音する。 oshienと単語テストに書いてきた。oc...